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リア王は嘘つき
食べることもない 飲むこともない 天国か地獄があるのなら 僕は神さまに訊きたい その道筋はどこで 何か意味があるのかと 17年前から止まって動かない時計が 僕を見つめては 道化になれなかった僕を憐れんでいる 業火に焼かれるのなら 好きな人の傍にいたいよ 抱きしめあったままで 悪魔に罵られるのならそれでいい 母の葬儀で流した涙は マグマに飲み込まれて それでも愛の種子を芽吹かせる いつの世相にも取り残された赤子はいて 愛に飢えたままで 舌を出したり 怒ったりもしている 僕は一人の傍観者で 聖者にもなれなかった男だ ただ一つ言えるのは だからそれが何? ということ 処女懐胎の物語 「多く」を語っては 「多く」を知りえない闇の中へ葬って 裏切り者のユダ そいつは人間じみていて 食べることも 飲むことも 普通に出来ていた男さ どこかでね 見つけた船は 誰の声も聞こえない場所へ 僕らを連れていって どこでもない 誰にも知られない 夢の世界へ二人を誘っていく 光の灯る未来 未来はきっと美しい 誰かがそう言った だけど悔やみきれない過去も多く 昨日から明日へつながる道も 閉ざされた気分だ 義眼で見た隣の部屋は やけに眩しくて 輝いたままで 名もなき猫の 閉じた瞳は 僕らが分かちあえるまで開かないかもしれない 出来るならば時間を戻したい 5才の頃の母親と駆けっこした時間へ 酒にひたる気も 時間もないが 今飲み干した水だけはせめて味わいたい リア王は嘘つき 僕らに偽の悲劇をすり込んで 快楽も歓びもある 痛みなど何もない 地球という星をあざむいて ところどころ切れ切れの記憶 断片だけつなげても意味がないのなら パズルのピースなんて 初めからない方がいい すべて投げ捨ててしまえ うなだれるだけ 僕らは打ちひしがれて うなだれるだけ 僕らは叩かれては叩き返して 君はどこから迷い込んだの 宇宙の端のこんな惑星に 僕はどこから歩いてきたの 後ろを振り返れば キレイな花が咲いていて 明かりの灯るその未来へ 手を伸ばしては 届かぬことを知る君と僕 顔を伏せることも 打ち沈むこともない その場所で 僕らはただ 生きている 呼吸をして 生きている 息を吐き 息を吸い ただ美しいこの場所で 生きている
リア王は嘘つき ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 858.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-02-15
コメント日時 2018-02-17
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ただ生きている。それでいい。 といえるような境地にはなかなかたどり着けませんね。 いろいろ言いたいことはあるんですが言葉が出てきません。
0クッキングヒーターさん コメントありがとうございます。ですね。なかなかそういう境地にはたどり着けない生き物です。人間は。 ですが! ただ! クッキングヒーターさんの「誰かに愛されたいならば」を拝見しましたが! 笑ってしまいましたよ。僕は。かなりおかしみ、面白味のある作品だと思いました。いいですね! ああいう「笑える詩」と言うのも。人生とは実はそういう「笑えるもの」なのかもしれません。
0stereotype2085さん ここのコメント欄で僕の詩の話を続けて書くのもあれなので、とりあえずありがとうございますとだけコメントしておきます。
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