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水温
湖の中で、さかなは泣く 包み込む水は冷たい 冷たいせいか、心臓が痛む しかし湖上の人は それを知らない 湖面の揺らぎ 光、よろめき 視線の遠くで影が滲む 結局何も見えないから 昼も夜も同じだ とはいえ、湖底との距離は変わって 湖上に漂う葉の色も変わった 干渉しえないどこかで 何かが変わっている 木陰はいつも寒いままで、 暗くて静かに澱んでいる 足がないから始められず 手がないから終わらせられない さかな やがて死んだときに湖底に沈んで、 そして 多くのものの一部となる さかなとして生まれ そして土になれど 決して巡りはしない ただ、土の降り積もる冬の湖底を泳ぐ
水温 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1125.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-02-15
コメント日時 2018-03-15
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
>花緒@B-REVIEWさん コメントありがとうございます。湖としての暗喩や湖上のことについては、しかし少し図式で分かるようにしすぎたのかなということを思っています。また、こうした部分については前の作品に意識が向いてしまって、まだ自分の中の感覚を伴うところまで追求できていない表現であるかなとも思い返していました。 ですが、自分としては、湖上の人は自分の世界の外という感じを受けていたので、花緒さんに自分の中での意識、無意識の違いと受け取って頂いたのはまた一つの新しい発見でした。構成にも注目して頂き、嬉しいです。ありがとうございました。
0>いかいかさん 返詩という形でのコメント、ありがとうございます。自分としては、湖は先にも述べたように自分の世界として目の前に見えるせいぜい小さな世界を表していると考えていたのですが、確かにさかなが「多くのものの一部となる」となるなら、湖は「死んだ、人の、/手を、巡」るものであるのかもしれないと考えました。ここには亡くなるということ、そして個と全体の関係について、まだ確かな言葉には出来ていない考えがあるような気がしています。 また、「生まれた、/光の、/影に、さかな、」という部分については、さかなのいる場所が光かつ陰であり、昼でありかつ夜でもあるという点が、この詩の一つの要素なのかもしれないと思っていて、それは生死(或いは別のものかもしれませんが)の境が重なっているという意味だったのではないかと、返詩のこの箇所を読んで考えさせられました。ありがとうございました。
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