夏は教え続ける
炊飯器の中に余ったご飯は冷凍しろと
それでも
冬になれば出しっばの冷やご飯が
いつまでも腐らないことに僕ら
毎年感心している
愛猫の夏は毛づくろいがとまらない
被毛を濡らすことで
体にこもる熱を下げている
その傍らで
僕だけ一人バグっていた
行ってきますの後ろ髪
それをキャットトンネルの奥まで
ずるずると引っぱっていく猫が
どうにかたぐり寄せたその足元でもまた
ぐるんぐるんと絡まってしまう猫が
そう
猫がすべて悪いんだとして
僕が人間でなくてはならない理由は
一体どこにある
僕はフリーズを決め込んだ
手帳もスニーカーも空腹も捨てて
マーキングを忘れた部屋は
雨戸を開けても真っ暗で
窓に映るのはざんばら頭の無精ヒゲ
曜日が渋滞するケージの中では
降り立つところもなく
僕はただ
カレンダーの枠線にぶら下がり
一人とっ散らかっているしかなかった
ブラインドの紐が
冷凍室の奥までずるずると引っぱられると
タッパーにはさまった朝が
レンジの中から勢いよく飛び出した
いよいよ治ったぞ
ちーん
ヒューズが飛んで猫の腹肉が揺れる
朝だ
さあ行こう
作品データ
コメント数 : 8
P V 数 : 643.2
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2024-09-02
コメント日時 2024-09-19
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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閲覧指数:643.2
2024/11/21 23時35分21秒現在
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わたしには難しかったです…なにか投げやりな感じでしょうか。
1コメントありがとうございます。投げやりではないてすがヘタクソですね。難しいですね。精進します
0ったく、素晴らしい作品ですね! まさにお好み焼き定食のテイストっちゅうか、 トッピングの鰹節がソースとマヨの上で踊るニャー、、 散らしたことばの青海苔が煌びやかに メタファーである紅生姜を魅力的に引き立てる‥‥ こんなんだったら、ごはんお代わりして お味噌汁もガブガブ飲める、、 自己のアイデンティティに対する問いかけもあるのだけれども あえてテーマをクローズアップさせようとせずに、 リアル(日常)を模した語りの「流れ」によってワザともてあそぶ さらに猫の役割にしても、 「僕」のアイデンティティの不確かさをより際立たせていると思った
1コメントありがとうございます。 以前投稿した猫の詩にもコメント頂いたので、atsuchanはもしかして猫好きですか? 若いですねえ。お好み焼き定食でご飯お代わりしましたか。糖質爆弾に味噌汁もガブガブで健康診断が怖いです。とはいえ、ペヤングと食べる冷やご飯が大好きです私。炊きたてご飯は不可です。 >猫の役割 深いテーマです。これを考えるだけでペヤングペタマックスいけそうです。 この作品はどうなんでしょう、やっぱり妄想こじらせすぎなんでしょうか…
0クズ。すぐさま筆を折れ。
0冒頭の伏線がうまいこと回収されていて、文体も流麗で洒脱ですが、聯想がなめらかでなく伝わりが悪いように感じました。とはいえその伝わりの悪さには、読者側の問題もあると思います。クズではまったくありませんので、筆は折らないでください。
1どことなく完備臭…
0コメントありがとうございます。 自分だけ楽しんで読者を置いてきぼりにしていないか毎回不安ですが、今回も妙に頑なになってしまったかもしれません。エゴをごり押しして、伝わるように書けなかったところは反省点であると思います。 先週、ベランダで育てていたカネノナルキが根本からぽっきりと折れてしまいました。水のやり過ぎが原因だったと思います。挿し木して様子見ますが、折った筆も再生するでしょうか。創作活動を続けていく上で、捨て鉢になってアカウントごと消すみたいな日も今後あるでしょうが、どっぷり創作にかまけて金にならない鉢でもきっと捨てられないのだと思います私は。聯想がごたつくのは性格でしょうか…
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