フィラデルフィアの夜に 53 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。

硬派な作品

萩原朔太郎や中原中也のエッセンスを感じます。

千治

体験記『呆気ない宣告』

それはあなたの現実かもしれない。

大概のことは呆気なくドラマティックではない。そうした現実の丁寧な模写が作品に厚みを増している。

ほば

世界は自由だ━不死━

わかるということ

あなたにとっては何が、その理解が起きるピースになるだろうか?

ほば

ふたつの鐘がなるころは

鐘は明くる日に鳴る! いつでもそうだ!

運営在任中に出会った多くの作品の中のベスト。決して忘れない。

yasu.na

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シンプルに好き

あっす

パパの日曜日

パパの日曜日

いい

明林

終着点

生きる、その先に死地はない!

美しくさわやか、そして深い意味が込められたシーン、均衡の取れた心情と思想、強い意志で最終連へと迫る引き締まった展開、我が胸にこの詩文を抱いて!

yasu.na

九月の終わりを生きる

呼び覚ます声

夏の名残の暑さが去ろうとする頃、九月の終わりになると必ずこの作品のことを思い出す。

afterglow

こっちにおいで

たれかある

たそがれに たれかある さくらのかおりがする

るる

詩人の生きざま

言葉と詩に、導かれ救われ、時に誤りながらも、糧にしていく。 赤裸々に描写した生きざまは、素晴らしいとしか言いようがない。

羽田恭

喘息の少年の世界

酔おう。この言葉に。

正直意味は判然としない。 だが、じんわりあぶり出される情景は、良い! 言葉に酔おう!

羽田恭

誰かがドアをノックしたから

久しぶりにビーレビ来たんだけどさ

この作品、私はとても良いと思うんだけど、まさかの無反応で勿体ない。文にスピードとパワーがある。押してくる感じが良いね。そしてコミカル。面白いってそうそう出来ないじゃん。この画面見てるおまえとか、そこんとこ足りないから読んどけ。

カオティクルConverge!!貴音さん

あなたへ

最高です^ ^ありがとうございます!

この詩は心に響きました。とても美しく清らかな作品ですね。素晴らしいと思いました。心から感謝申し上げます。これからも良い詩を書いて下さい。私も良い詩が書ける様に頑張りたいと思います。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

これ大好き♡

読み込むと味が出ます。素晴らしいと思います。

きょこち(久遠恭子)

輝き

海の中を照らしているのですね。素晴らしいと思います☆

きょこち(久遠恭子)

アオゾラの約束

憧れ

こんなに良い詩を書いているのに、気付かなくてごめんね。北斗七星は君だよ。いつも見守ってくれてありがとう。

きょこち(久遠恭子)

紫の香り

少し歩くと川の音が大きくなる、からがこの作品の醍醐味かと思います。むせかえる藤の花の匂い。落ちた花や枝が足に絡みつく。素敵ですね。

きょこち(久遠恭子)

冬の手紙

居場所をありがとう。

暖かくて、心から感謝申し上げます。 この詩は誰にでも開かれています。読んでいるあなたにも、ほら、あなたにも、 そうして、私自身にも。 素晴らしいと思います。 ありがとうございます。みんなに読んでもらいたいです。

きょこち(久遠恭子)

カッパは黄色いのだから

良く目立ちます。 尻尾だけ見えているという事ですが、カッパには手足を出す穴がありますよね。 フードは、普通は顔が見えなくなるのであまり被せません。 それを見て、僕はきっと嬉しかったのでしょう。健気な可愛い姿に。ありがとうございました。

きょこち(久遠恭子)

永訣の詩

あなたが出発していく 光あれ

羽田恭

あなたには「十月」が足りていますか?

もし、あなたが「今年は、十月が足りてない」と お感じでしたら、それは『十月の質』が原因です。 詩の中に身を置くことで『短時間で十分な十月』を得ることができます。この十月の主成分は、百パーセント自然由

るる

だれのせいですか

どんな身体でも

どんな自分であっても愛してくれるか、抱きしめてくれるか、生きてくれるか SNSできらきらした自分だけを見せてそんな見た目や上辺で物事を判断しやすいこんな世の中だからこそ響くものがありました。例えばの例も斬新でとても魅力的です。

sorano

衝撃を受けました

ベテルギウス。まずそれに注目する感性もですが、詩の内容が衝撃。 猫。木。家族。犬(のようなもの)。女の子……。など、身近にあふれている極めて馴染み深いものベテルギウスというスケールの大きいものと対比されているように感じられました。

二酸化窒素

ずっと待っていた

渇いた心を満たす雨に満たされていく

afterglow



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フィラデルフィアの夜に 53    

 フィラデルフィアの夜に針金が邪魔をします。  ある暑い日。雨の降らない夏に。 目を覆いたくなるような光景が広がっていました。 悪臭を放つ生ゴミが、辺り一面に散乱してしまったのです。 それも繁華街の真ん中で。  ゴミ収集業者が違法に基準を大きく超えた重量のゴミをトラックに無理に押し込み、赤信号で止まった途端、横転し生ゴミによるこの世の地獄としか言いようのない惨状ができ上がってしまったのです。  ねちゃり、とスコップで掬い取り。 ぐちょり、と袋に入れていきます。 うだる暑さで生ゴミはさらに腐敗を進め、病原性もあるだろう雑菌黴菌がさらに喜びの声を上げていき、悪臭が方々へ.。  誰も彼もが足早にこの場から立ち去っていき、周囲の店は過剰なまでに閉め切り、嫌悪感を伝えてきます。  それ以上に厄介な蛆がそこかしこに湧き出し、蝿が空気を切り出すほどの羽音を鳴らし飛び交ってました。 作業は延々と続き、もう暗くなっていった頃。。  目にも耳にも、髪にさえ絡みつき、一々手を止め払い、拭い去っていました。 痛い。  蠅の体が、指に刺さった。 反射的に蝿を摘み、潰した。 金属の感触が指に伝わり、目元に集りだした蝿も払えば痛みを感じ、同じように摘み潰すと、金属の痛みを感じて。  羽音が一層うるさくなり、手で払えど払えど、飛び交う蝿でできた帳を掻き分けるも同然になりたまらず生ゴミの中から逃げ出していく。  腕にも顔にも細かい何かに引っ掛けられたような細かい傷跡をさらして。  そして気づく。蝿にまとわりつかれた全員が。 思わず握りつぶした、大量の蝿。 それが、針金で精巧に作られた何者かによる作品に、置き換わっていると。  服に、髪に、目に、腕に、鼻に、耳に。 未だ絡みついて離れていない、蝿。 触れば金属の痛みが走り、傷つく。  微細に精密に、それでいて本物同然に動く。 じゃあ、最初にいた蝿は。 本物だった蝿は。  生ゴミの方向から蠅が飛ぶとんでもない音が、空間を切り裂いてきた。 そこからは二重螺旋が悪臭漂う地面から、何があるのかわからない漆黒の空へ。 昼間の様な明るい街灯も、照り付けるようなスポットライトも届かない空へ。  気が付けば、蝿はいなくなっていました。 あの針金の蝿も、本物の蝿も。 あれだけ這い続けていた蛆虫もいません。  ただ悪臭漂う、生ゴミがあるだけ。 あまりに不思議すぎ、皆が首を傾げていると。 雨。 いつ振りかの、雨。 瞬く間に豪雨となり雷雨となり、氾濫し、洪水を巻き起こす。  そこにいた全ての人は、蟲を散らした様に逃げ惑いました。 また、不意にその雨を握った人がいます。 金属の痛みが手に走り、雨粒の中に本物の蝿と針金の蠅が、大量に混ざっていました。  雨は朝日と共に止み、また違うこの世の地獄の様な光景を作り出します。 何もかもが水に浸り溢れかえり、酷い惨状でした。 今度は泥が街中をえげつない程に汚染してしまって。 ただ、あの生ゴミだけは綺麗になくなっていたのです。 針金でできた蝿もまた、二度と見る事はありませんでした。


フィラデルフィアの夜に 53 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 8
P V 数 : 694.3
お気に入り数: 0
投票数   : 1
ポイント数 : 240

作成日時 2024-08-27
コメント日時 2024-09-02
#現代詩
項目全期間(2024/12/04現在)投稿後10日間
叙情性6060
前衛性2020
可読性55
エンタメ2020
技巧7070
音韻1515
構成5050
総合ポイント240240
 平均値  中央値 
叙情性6060
前衛性2020
可読性55
 エンタメ2020
技巧7070
音韻1515
構成5050
総合240240
閲覧指数:694.3
2024/12/04 03時17分28秒現在
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    作品に書かれた推薦文

フィラデルフィアの夜に 53 コメントセクション

コメント数(8)
つつみ
作品へ
(2024-08-27)

とても面白かったです。生ゴミのような有機物と本物の蝿、無機物である金属の蝿、人間の罪が金属となって痛みを与えているよう。 生ゴミは一体何だったのか、本物の蝿はいつ実在していたのか 生ゴミを出す人間の罪もありますね。先日、料理教室に行った時、生ゴミは全て山に還すので捨てないでください、と先生がおっしゃいました。なんとなくその時のことを思い出したりもしました。 わたしも無意識に、針金にチクッとされる罪を日々重ねているかもしれません。 もうすぐ大きな台風が私の地域にやってきます。何かしらの金属が混じっているかもしれませんね。

抒情:60 前衛:20 可読:5 エンタメ:20 技巧:70 音韻:15 構成:50  
0
羽田恭
つつみさんへ
(2024-08-30)

牧場で働いているとどうしても大量に発生した蝿と対峙しないといけなくなります。 なにせ発生源がすぐそこにあるので。 そんな蠅が目元で邪魔をしてきたことからできた作品です。 生ゴミを人の罪とするのは想定外の発想ですがそう読み解けますね。 あの金属の蝿は人が作ったのか、実は自然が作ったのかわかりませんが。 かなり被害をもたらしている台風ですが、大丈夫でしょうか? もし金属が混ざっていたら、大惨事ですけれど。

1
エイクピア
作品へ
(2024-08-31)

フィラデルフィアの夜にと言うフレーズが独特の雰囲気を醸し出していますね。ごみの悪臭の話題、ゴミや悪臭と言えば、定番の蠅なのかもしれませんが、ウジ虫と言えば蝿の前身。洪水被害。「地獄」とは何であろうか、生ゴミがきれいになくなっていて、針金で出来た蝿もまた二度と見ることはない。針金でと言う言い方から、ジャコメッティをふと想起したのですが、この詩では関係ないのかもしれません。

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羽田恭
エイクピアさんへ
(2024-08-31)

自分でもフィラデルフィアの夜にという入り方は気に入ってます。 何か不可思議な事が起こる予兆みたいな雰囲気がでるので。 この場合の地獄とは何かによって埋め尽くされて苦痛を与える状態ですかね。 生ゴミも洪水も蝿も針金も無尽蔵過ぎたら、大変にもほどがありますし。 たまにジャコメッティを連想される方がおられますね。 あまり影響は受けていないと思いますが、あの雰囲気は面白いと思います。

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田中宏輔
田中宏輔
作品へ
(2024-09-01)

針金でできた蝿ですか。見てみたい。

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羽田恭
田中宏輔さんへ
(2024-09-01)

なかり緻密な物を作っている方がおられますね。 ここで販売してました。 https://hazeofforest.thebase.in/

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ぺえ太
ぺえ太
作品へ
(2024-09-02)

バックヤード感がサイコですね。ねじった針金が姿を変え何かになる、この「針金」はDNAモデルをイメージしました。 昼夜で表情を変えるスクラップ置き場。ギラついた夜を鬼のような躍動感で描き、人間の内面に迫る作品だなと私は感じました。

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羽田恭
ぺえ太さんへ
(2024-09-02)

人間の内面とも言えますが、また別な意思が表に出たような気もしますね。 鬼とは大自然なのかもしれませんし。 はっきりとはわかりませんが。 かつて大事な物だったスクラップに何か憑依したのかも。 よくわからないものを上手く表現できたようです。

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