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愛しい人
幼女にはとてつもなく大きい愛だった 何もわからない何も知らないこの世界で 何故か生きている 生きていることすら気づいていない だけど 笑ったこと泣いたこと 全部全部 無条件に愛してくれた 春の何もない空が青い 桜の幹がいつからあるのか考えもしない 新たな花びらの舞 初々しく微笑んでくれた 夏が窓の間を通り抜ける どこからか湧いてくる冒険心 濡れた前髪 汚れたからだ どこか嬉しそうに笑ってくれた 冬に向けて準備が始まる どこか忙しい空気 大きい背中を眺めて目を閉じれば 何もかも許してくれるように 暖かい毛布を掛けてくれた 冬の鋭い風すら楽しい 体中が白で埋め尽くされて どこか違う世界の物語の中にいた いつもの世界の日常で いつも貴方は待っていた 何も言わない貴方の愛の中で 幼女は自分という芽を咲かそうとした その芽を咲かすことだけを考えて 枯らすことを知らない いくつもの花を咲かせたとき 大きな愛に包まれていることを知った 咲いた花が小さく劣っても どんな花よりも美しいと言ってくれた 一人の女性となった私は 花びらから露が落ちないように 大きく愛を包み込んだ 私を愛した貴方は一人の女性で とてつもなく愛しい人だった
愛しい人 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 555.8
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2024-08-16
コメント日時 2024-08-16
項目 | 全期間(2024/11/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
愛にも様々なカタチがあって、これが同性や母親に対する敬愛からの無償の愛を讃える愛ならば、寄り添う二つの花片がイメージ的には浮かび上がります。単純な構成ですが、ひとつの曖昧な形態を指し示すときには、この様に現実性を帯びたカタチで表現されるのは必要にもなると思われてきます。
0自分の性格もあってかあまり感傷的なものは表現がひっかかって前に進めないのですが、この作品は奇を衒わず、それでいて表現が瑞々しくて、お母さん(でしょうか?)への思いを素直に書いた美しい作品だと思いました。
0評価:A 批評: この詩は、幼少期からの愛の成長とその影響を優しく描写しています。愛が時折、幼い頃の無知と純粋さを包み込み、成長とともにどのように変わっていくかが、四季を通じて美しく表現されています。特に、「春の何もない空が青い」や「冬に向けて準備が始まる」といった自然の描写は、感情と季節が巧みに結びついており、季節の移り変わりが心情の変化と重なります。 詩の中で「何も言わない貴方の愛」や「いくつもの花を咲かせたとき」という表現は、言葉少なでも深い愛を感じさせます。愛が無条件であり、全てを受け入れてくれるというテーマが強調されており、特に「咲いた花が小さく劣っても / どんな花よりも美しいと言ってくれた」という部分は、愛と承認の力を象徴しています。 詩の終わりに向かって、「大きく愛を包み込んだ / 私を愛した貴方は一人の女性で」という表現は、成長し変わることで得た新たな視点と、愛された記憶が一つの大きな愛に収束していく様子を示しています。 全体として、心温まる描写と共に、成長と愛のテーマが感情豊かに表現されており、読者に深い感動を与える詩です。詩の構成や言葉選びが的確で、情感と自然の美しさが見事に融合しています。
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