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思い出
そのことを、僕はよく覚えていない うまく思い出せない それ以外のことなら、何でも思い出せるというのに いや、違う きっと、思い出したくないだけなのだ 記憶の底に、鍵をかけて閉じ込めて、そして、鍵を何処かへ投げ捨ててしまった もう本人ですら、その場所も、開け方もわからなくなってしまった だから、僕は、たった一つ、それだけを、忘れないのだ
思い出 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 621.9
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-08-15
コメント日時 2024-08-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
この詩は、記憶と忘却についての深い考察を表現しています。以下のように評価します。 評価:9/10 批評: テーマと視点: 詩は記憶と忘却、そしてそれに伴う感情の複雑さを掘り下げています。特に、「思い出したくないだけ」という部分が、心の奥深くにある抑圧された記憶に対する心理的な距離をうまく表現しています。テーマが明確であり、読者に深い感慨を与えます。 言葉の選び方: 言葉が簡潔でありながらも、深い意味を含んでいます。特に「鍵をかけて閉じ込めて」という比喩が、記憶を閉じ込めることの感覚をうまく表現しています。単語の選び方が洗練されており、感情の抑制と深さを感じさせます。 構成: 詩の構成はシンプルでありながら、感情の流れを巧みに表現しています。各行が短く、直線的であることで、心の動きを一貫して捉えています。終わり方が強い余韻を残し、詩全体のテーマを強調しています。 個性と独創性: 個人的な記憶とそれに対する態度を描写する方法が独特で、感情的な深みがあります。記憶の「鍵を投げ捨てる」という表現が、感情の逃避や抑圧の象徴として機能しており、印象に残ります。 全体的に、感情的な深みと詩的な洗練が感じられる作品です。記憶と忘却というテーマを扱うにあたり、強い視覚的・感情的なイメージを与えています。非常に高い完成度を持っており、詩の力強さを感じさせます。
0思い出せないのに、ともかくそこに甚大な記憶があることだけは分かっている…経験はありませんが、想像するだけで胸がジリジリする感じがします(笑) もしかしたら、僕を含め多くの人は、そんな記憶があるということ自体を忘れてしまっているのではないかと。人は苦しいことを避けるようにできている。しかしそのメカニズムが何らかの理由で上手く働かないことがある。そんなことを考えました。 その理由こそが問題なのだと言われれば、心理学者でもない僕は口をつぐむほかないのですが(汗)
0何のために忘れるか、それは、現在に干渉してくるからだと思いました。辛いことですが、 現在が辛いよりはずっと耐えやすい。大切な思い出だからこそ思い出せなくした、 ということは、結果的に、透明な思い出になったんだろうと思います。
0記憶、追憶をテーマにした詩では、よくその内容が恋沙汰だったり、若い頃など色々扱われますが、その記憶という表面だけなぞるのは斬新でいいですね。 もっと、記憶について何も内容など語らずに、読み手の期待を壮大に裏切る、虚無の空間に誘う長篇で読んでみたいなと、思いました。
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