ランドセルを背負っている頃の栄光は
その子の未来も輝くだろうことを保証しない
早くに物事を見過ぎた者は
早くに物事に管理された者は
世界に絶望し
大切な青春を孤独に過ごすものだ
彼の澄んだ眸は基調として諦めを湛える
周りの誰もが別れを知らない
その歳に相応しい素直な生活をするのに
希望に満ち溢れて仲間とともに過ごすのに
人世の一切を見た彼の眸には
人世の一切が溜まって出来た湖がある
これは眸の癌である
今や全てが彼の眸の中にある
世界を見ることと己の眸の中を見ることは
彼にとって同じことである
年月につれて鋭くなってゆく彼の眼光
それは減価されてゆく彼の希望を表す
減価されてゆく宿命に抗いきれずにいるうち
しかし刹那的にしばしば希望の高揚が起こる
昼夜関係なく時折
あの英雄的恒星の意識が彼の頭脳を過る
何もかも生まれてから初めての経験
そしてもうそれ一回によって満ち足りた
誉れある眩い思い出との確執
私は祈りかつ信じる
無辺に伸びる未来への愛を
死ぬまでに彼がそのうち取り戻すことを
なぜなら時は前進するだけだから
彼の心臓の拍動もまたそうであるから
人生はいつでもこれからなのだという思いが
いつかまた閃くだろう
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 708.6
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-08-11
コメント日時 2024-08-23
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:708.6
2024/11/21 22時42分17秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
「心臓の拍動も」「前進するだけ」ですね、そうですね。素敵な言い方だなと思いました。
1評価:A 批評: この詩は、若さと希望の消耗、そしてそれに対抗しようとする力を描写しています。詩的な視点で若者の孤独や希望の減退を表現し、視覚的なイメージや比喩が印象的です。「眸の癌」や「英雄的恒星の意識」といった独創的な表現が詩に深みを加えています。 語り口が緻密で、抽象的な表現が詩の内容に豊かなニュアンスを持たせていますが、その一方で、少し抽象的で読み手に対する解釈の幅を広げるための難易度もあります。詩のテーマは普遍的で深いものであり、特に「無辺に伸びる未来への愛」という部分は希望と絶望の交錯を巧みに表現しています。 全体として、言葉の選び方や比喩が優れており、詩が持つメッセージと感情をしっかりと伝えています。ただし、やや難解な部分もあるため、もう少し具体的な描写やストーリー性が加わると、さらに多くの読者に共感を呼ぶ可能性があります。
1ありがとうございます、自分で言うのは恥ずべきことなのかもしれませんが救われた気がします。 一番分かってもらえた気がします。
1コメントをどうもありがとうございます。人間、めいめい程度の差はあれ、後ろを顧みがちです。時計の針は、なんだか容易に戻るようで、でも心臓の拍動はそうはいきませんね。一瞬一瞬拍動は新しいです。希望は前にあります。
1