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逃亡車
あなたは逃亡車だった サイレンが鳴り響いていた私の街に火をつけて逃げ出した あなたの横顔が街灯に照らされて 私達はずっと一緒にいるんだと思った 火の海になった街を見下して 私達は一生を誓った まるでこの世界に私達しかいないみたいに 2人だけの世界に浸って、恋愛ごっこをしていた あるとき、逃亡先で美しい花畑を見つけた 貴方に知らせようと思って花畑について話すと、あなたは持っていたライターで花畑を火の海に変えた そこで気付いたの これが初めてじゃないって お気入りのぬいぐるみも、見つけたバルーンも、私が声が綺麗と褒めたたえた小鳥でさえも、朝になれば灰となっていた 今気付いたの これはあなたの仕業だって これは普通じゃないって それでもあなたのそばにいた 好きだったから あるとき、青空が快晴でとても美しかったから 空が綺麗だと褒めたたえたの そしたらあなたはライターを天にかざして 「私も褒めてよ」と言った そこで気付いたの これは正気じゃないって 気付けば空は燃えるように赤黒くなって、私たちを嵐に飲み込まんとした だからいったの 「愛してる」って あなたにじゃなくて、空を落ち着かせるために 私は逃亡車に乗ったつもりでいた あの小さな街から抜け出して、永遠の園にいたつもりでいた 違ったの 私はあなたという監獄にいた 火が燃え盛る地獄にいた 幸い私は賢かった あなたよりも 井戸に毒を入れたの あなたは死んだ あなたが持っていた逃亡車にエンジンを入れて走り出す 電話でポリスにも連絡を入れておいた きっとあなたが目を覚ますのは刑務所なんでしょう 逃亡車の中で、私は笑っていた 逃亡車の中で、私は歌っていた 逃亡車の中で、私は泣いていた 逃亡車の中で、私の心は死んでいた こんなになるはずじゃなかった こんなになるなら乗らなかった そして私は 逃亡車にさよならを告げた
逃亡車 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 482.7
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-08-01
コメント日時 2024-08-18
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
逃亡車というモチーフがいいですね。所々、書かなくてもいいような表現(「恋愛ごっこをしていた」など、少し臭いと感じてしまう)はありますが、光る言葉までの構築が上手い。 「だからいったの 「愛してる」って あなたにじゃなくて、空を落ち着かせるために」 まるでこの連にたどり着くために言葉を紡いでいたのではと思うほど、私はこの連のインパクトが良いなと、好きだなと思いました。 あとは、逃亡車というモチーフをもっといじってみても良かったのではと思いました。ただ乗る物として見るだけでなく、ガソリンを積んでいる(一番自分が燃えやすい)存在であったり、もっとひねってカーナビとか色々、車から連想されそうで、広げてみてもいいと思いました。
0冗長だな〜 ストーリー性が高いからといってダリダら書いて良いわけではない
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