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風は北から
風が 病んでいて 風邪を 病んだ 変色する舌 味覚 蜜柑の酸っぱさも 冷たさの内に 終わってしまう 何も臭わない 花を嗅いでも 嗚呼 これは花ではなかったのか 何を視ていた つづけることの煩わしさより解放されて、それでも生活の音が耳に痛く、途端、隣のトタン屋根に降る雨の音が煩わしくなり、戸棚からナイフを持ち出してじっと眺めていた。 母が粥を買って帰ってこられた 生とか死とかないんでしょう そんな二元論は と常々 くりごとしていた 腹が生きかえり ついに全身が生きかえった ナイフをしまおうとしたら指を切り、赤い血が出た 僕も、ナイフも同じ刻を生きていた 大体が、生死とか病とか老いの詩句なんでしょう それは、現代の詩を肥らせているようで 実際には初歩的なところへ先祖返りしているように視えますね つまり近代詩から戦後詩への変換点に於いて sentimentalismから抒情詩への変容が成されたわけです では抒情詩からどこへ行きますか。「こわれかけ」の僕は。僕らは。 一体誰と電話しているのだろう 牛乳を飲むと、砂漠の味がした
風は北から ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 847.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-02-09
コメント日時 2018-02-15
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
>大体が、 から始まるように読んでしまいました。抒情というのは厄介な概念ですね。なにか”言ったように気分”にさせてくれる。 もののあはれ、でググってwikiをかいつまんで読むと、本居宣長がその著作の中で提唱した概念だそうで、それと地続き であるのかと僕などは思うのですが、どうなんだろう。 即興的な詩句を紡がせるならAIの方が人よりずっと優秀だし無尽蔵だよね、って時代に生死とか病とか老いとか、旧態依然としたテーマで、しかも抒情の串を刺して詩を紡ごうとする姿勢そのものへの問いかけ、自他への警句。そのような作品であるように思います。 最後に電話していたのは誰か。砂漠の味のする牛乳とは何か。牛乳は文字通り砂漠の味がしたのだろうけど、普通、砂漠は舌で味わうものではないから、その味は分からない。その不分明な隠喩で、作者もまた、自分が思うところの作詩の隘路みたいなとこにあることを暗示しているような。いないような。
0こんばんは 二読目です。 一見分かりづらいですが、 >大体が、 以前の前半が、(こういう形容はお気に触るかもしれないですが、失礼しますm(__)m)前振りなのだろうな、フェイクという意味ではなくて、言いたいことを二段階にして「強めていく」という意味での前振りなのでは?と。 ひといきに喋りきったあとで汗をかいて喉が乾いてしまった、それが「砂漠」と言わしめたのかな?と感じました。
0miyastorage様へ ちょっと夢オチのようでそうでもない、一体わたくしは何を書きたかったのだろう。 風邪による身体変化を詩にするというアイディアはありました。 それがなぜ、詩の歴史性について言及することになったのか。 風邪をこじらせて電話すると予期せぬ妄言みたいなことを話してしまうんですね。 逃げのようなレスポンスで申し訳ないですが、あまり踏み込むと専門家や説明屋さんがうるさいので。 お読みくださりありがとうございました。 渚鳥様へ そうですね、そういう風にとることは可能ですが、詩は自解した途端つまらなくなりますよね。 お読みくださりありがとうございました。
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