水泡ひとつ
コーヒーカップの上にみる
向かい合う顔の間の空間は
隙間なく埋められている
水蒸気が凝結
水滴が付着したグラスには
水が鎮座する
口に運ばれるのはあまりに容易で
喉越しに天災の禍根が滲むことには
気付けない
気が付かない
咒文が封入された水
わたしの呪いか
あなたの呪いか
水に問う
水を飲む
雨が降り
腕に衝突する滴は
弾かれる一方で
雨が止み
水溜りに足を踏み入れるのは
いつも
わたしたち
どうしても涙が溢れるのは
それをとどめていた空気圧が
いつかはじまる会話を予感して
萎縮するからで、
つまりは条件反射だからだ
今立っている
どこかに立っている
上から降り
下に溜まり
いつも漂い
流れ
結露する
この場所は水の星
コーヒーは苦かった
確かに、苦かった
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 1224.0
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作成日時 2024-06-08
コメント日時 2024-06-11
#現代詩
#歌誌帆掲載応募
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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2024/11/21 23時18分39秒現在
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二連目でさらっと書かれている「口に運ばれるのはあまりに容易で/喉越しに天災の禍根が滲むことには」この部分がこの詩の方向性を定め、適当に書いたものではないことがわかります。水泡、水蒸気、雨、涙。上から降り下に溜まる、6連目できれいに収め、最後にコーヒーを飲み下しているのかなと、苦いと〆る。完璧!
1お読みくださりありがとうございます。 6連目と締め方は何度か修正した箇所でしたので、評価していただき嬉しく思います。 いつもコメントくださりありがとうございます。
1とてもよく考えられた(と感じる)良い詩だと思いました。ありがとうございました。
1コメントくださりありがとうございます。 良い詩と言っていただき嬉しいです。
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