自動音声みたいな声に背中を刺された
玄関を離れていく虫と鍵
数字の「2」を残して浮かんで見える
ホットケーキのボールの中に
夜中の十三字架に落ちる雨
ポットはにわかに晴れて水を飲む
空の言葉を探す
最小のリズムで進む沿線をたたき割る
葉緑素の渦は
襟から折から真白くカメレオンだわとまた間違い
砂漠に埋められた椅子に穴の空いた星が顔を出す
穴の空いた詩集に
穴が空いている
穴が
言葉に穴が空いた時計が
一つ
穴が空いている
昔見た全ての模型に穴を開ける穴の空いたアップルを自慢げに
隣に立つ彼はもう老人か
穴は空いている飽きもせずに
空き部屋ならたくさんありますとマストに消しゴムは
月をゴシゴシと消し始める
空の穴が一つ減る
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 441.0
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2024-06-01
コメント日時 2024-06-06
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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閲覧指数:441.0
2024/11/21 22時53分22秒現在
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すごいです!この詩を何度も何度も読みたいと思いました。サルバドール・ダリの絵とか、「アンダルシアの犬」って映画を連想しました。
1詩的だ。
1「アンダルシアの犬」20代の頃公民館で観た記憶があります。内容はさっぱり分かりませんでしたが、寺山修司の書を捨てよと同時上映だったように記憶しています。今思うと随分贅沢な時間でした。コメントありがとうございました。
0詩的だったでしょうか。 コメントありがとうございました。
0面白い詩ですね。特に「穴」にかかわる表現たちが。 失ったもの、失った言葉を探しているのでしょうか。「最小のリズム」で進む日々から虚無を味わっているのかもしれません。 周りの声が「自動音声」に聞こえ、時計の針すらも言葉をもたらしてくれない。月が沈み、太陽が上がる自然の摂理でさえ、一回一回月が消されていると感じてしまう。 アップルほどの穴かな? と最初思いましたが、アップルにも穴が空いてますね。なんだか、ウロボロスのようなものを全体から感じました。
1コメントありがとうございます。 詩というか詩を取り巻くものに心折れたといいますか、まあしばらくは詩など読みたくはないといった心境です。 >なんだか、ウロボロスのようなものを全体から感じました。 ウロボロスという言葉には随分たくさんの意味があるようですが、詩を愛して止まないミハイさんのような方なら「詩に」どんな仕打ちを受けようとも詩に空けられた穴を果敢に塞いでまた歩き出すのではないかしらなどと、そのようなことを思った次第です。
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