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おわって、風
浮かばされて、風、浮かばされて。 白い。てばなして風が、浮かばされて。 割れて破れて破裂してまるで抜け殻。 そうか、ひとり。 許されてひとり、抜け殻。 風がふいて、かたち、ばらばらと、ここは果て。 ひとり、ばらばらと、かたち。 背中、ふりかえって、背中。 許されてひとり、抜け殻。 燃やして落ち葉、ぱちぱちと、見つめて音は風 広げて、ゆるやかに果て、ここに風、ひとり揺らめいて、かたち。 許されて、またひとり。
おわって、風 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 914.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-02-01
コメント日時 2018-02-12
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
またひとり、雪、払いのける風。 凍る。見失う糸の雨が、滲み落ちて。 逸れて削がれて喪失してまるで滴。 なぜか、ひとり。 置き去りの天体、丸い月。 雪がとまり、あかり、そろそろと、約束の地。 あかり、さらさらと、またひとり。 返詩、失礼しました。
0三浦さん 返詩ありがとうございます。いかようにも読める返詩で、穿った読み方をすれば「お前の作品はくだらん技術の集積にすぎないのだから誰でも真似して同じものが簡単に作れてしまうんだよ、ほれ作ってやったから」というメッセージにも取れますし、あるいは単純に私の作品に被せて何かしら書きたい気持ちになっただけなのかもしれませんが、いずれにせよ、大切なことは何一つ伝わっていないし、感じ取っていただけなかったということだけは明白なので、非常に忸怩たる気持ちでおります。私も三浦さんの作品からはほとんど何も感じないので感受性や詩観に大きな隔たりがあるのかもしれませんね。いずれにしてもありがとうございました。
0survofさん 言葉足らず失礼しました。一読した時に、言葉に出来ないぐらいいいなあって思ったんです。それは、言葉通りに言葉に出来なかったし、共感を表したかった気持ちが先に立ち、私も本作と同じように詩を書いてみたいと思い、なぞり書きをしてしまいました。survofさんの返レスを読んで、作品に対する不敬であり、最悪なことをしてしまったと猛省しております。ごめんなさい。自分で恥ずかしく思います。不快にさせてしまい申し訳ない。
0三浦さん いえ、こちらこそ過剰反応してしまいまして大変失礼いたしました。嬉しいコメントありがとうございます!
0風に吹かれる白い風船が弾けて、ちぎれた蜘蛛の巣みたいに漂うようなさまを思い浮かべました。 抜け殻を燃やす、抜け殻のようなわたし、広大な風の中をさまようような、漂うような、どこかで許されているような、漠然とした漂白感がいいですね。韻が合ってるような感じにも思えました。
0夢終わり、風が吹く。 風が浚ってゆくんだよ。もしくは~風と一体になり~といったイメージに読み取れますね。 このような動きのあるイメージだけに趣きを読ませた作品ならば、形式的にはもっと遊んでもいいんじゃないかな。と。 リズム。動きのある改行。メリハリを考えるならば、一行だけ助詞を用いて語り手の心境やらを。読点で切れてしまう文体のパターンが邪魔をしている。そのように感じますね。
0グーグルグル夫さん コメントありがとうございます。「漂白感」という言葉とても嬉しいです。何かしら具体的なイメージを思い浮かべてもらえてとても嬉しく思いました。
0アラメルモさん 「動きのあるイメージだけに趣きを読ませた作品」を意図したわけではないのですが、ご指摘どおり確かに形式的にもう少し遊びがあってもよいかもしれません。その辺りの引き出しは多くはないのでコメントとても勉強になりました。ありがとうございます!
0音の流れと微細なニュアンスに対する類まれな配慮を感じます。こういう書き方はある種の緊張感を一定以上持続できないと成り立たなくなるので、もしもこれよりも長く展開しようとするなら、より錯乱したような文体を取るしかなくなるでしょう。この詩はそこへは行かずに、絶妙なバランスでとどまっているように思います。
0「て」止め、の効果を考えている時&「風」について考えている時に、この作品を読みました・・・タイミングにびっくりです。 風、とは何か。風狂、風の便り、~風・・・○○風を吹かしやがって、なんて毒づく?時にも使われますよね。 題名の「おわって」は、もちろん「終わって」なのでしょうけれど、おわっ、うわっ・・・と吹いてくる、なまあたたかい春先の風、を感じました。 〈てばなして風が〉ここは、手放して風、とは切らないのですね。 〈浮かばされて〉のリフレインは、浮かばれない、という慣用句を思い出しながら読みました。自分自身を、弔うことすらできない、イメージ。それも、自らの意志でそうなっている、のではなく、無理やり「浮かばせてやっただろう、浮かばれない、なんて嘆くな」と、何者かの強権によって、無理やり〈割れて破れて破裂して〉抜け殻のようにさせられてしまっている。そんな事後感を感じます。 果て、は、涯でもあるのでしょうけれど、命の尽きる、その果て、のイメージもあり・・・浮かばれない、のイメージと合わせて、この作品の影に、自分はもう死んだ、そう呟いている語り手の姿を感じました。 その意味では、一人で自らを弔う、そんな哀悼詩でもある、と思います。(もちろん、そこからまた、新たに始まる、わけですが。)
0原口昇平さん とても嬉しいコメントありがとうございます!どんな作品を書かれる方なのだろうとお読みしましたが、短い方の詩、とても美しい作品でした。あのような作品を書かれる方から「音の流れと微細なニュアンスに対する類まれな配慮」を感じるといっていただけるのは最高に嬉しいです。どちらも作品を書く際に特に注意を払っている点です。ありがとうございます!
0まりもさん 「〜て」あるいは「て〜」という使われ方の中での「て」ということば自体、日本語として多彩なニュアンスを包含していて文脈によって様々に表情をかえるところがとても魅力的だと感じています。「〈てばなして風が〉ここは、手放して風、とは切らないのですね。」とのことですが、ここを「手放して風、」と切ってしまうと同じリズムの反復になってしまい文章が一気に硬くなってしまう気がします。「が」をいれるだけで言葉の抑揚がまったく別物になってしまうのが不思議です。 「一人で自らを弔う、そんな哀悼詩」や「事後感」といったキーワードも感想としてとても嬉しいものでした。私自身は死後の魂云々信じていませんが、私の感覚によって生み出したものが読み手の死生観といった深いところにまで響いたのだとしたらそれはとても嬉しいことです。私の詩に隠喩はほとんどありません。ですので文章に意味が「ある」のか「ない」のか問われれば、おそらく「意味はない」。だけれどもそれは決して中身がないわけではなく、確かに私の中のイメージや感覚をなんとか具現化させたものではあると思います。私の中の感覚・感情をことばを使って表現するというその行為と、私のてもとから離れて完全に読み手のものとなる読み手の方のイメージや感覚あるいは感情、あるいは解釈。そのギリギリのせめぎ合いにとても興味がありますし面白さを感じます。ありがとうございました!
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