抱きしめて抱きしめられないことを抱きしめていることを抱きしめられないと悟ったのでした。あの日ぼくはたしか青空が真っ赤な血のようになっているのを確かにみたのですがきみには見られなかったようでした。大きな弧線を描きながらきみが落ちていき走っていき翔んでゆきつまるところどこかへ逝ってしまった言ってしまった行ってしまったのですがぼくはきみを見られなかったかもしれません。直線はここで終わり。ぼくは果物のように滴ったボールをすりおろしながら空から落ちてくる鳩をながめていたのですがそれはもしかしたら杞憂だったのかもしれません。自分の目を信じられますか。信じられますか。信じられますか。信じられません。びりーぶゆー。びりーぶみー。びりーぶ。びーびりーぶ。はてbelieveは自動詞ではない。しかしここは自動でうごくのです。もしかしたらぼくたちには大変早かったのかもしれませんね。いつだって遅いのかもしれない。あるいは早くて遅い。どこかへいってしまいたい。あるいはもうそこなのかもしれない。ぼくはいつかきみの瞳をみましたがそれは瞳ではなかったかもしれません。きみはぼくの瞳をみなかったがそれはぼくの瞳だったかもしれませんね。雑踏の星座をつくるときそれは空隙をころすのでした。では空隙は星座をうみますか。ここはどこですか。なにですか。いつですか。だれですか。なぜですか。どうしてですか。ここは。ここ?ぼくですか。少しお茶を出したほうがいいかもしれない。やすみませんか。能動を止揚しましょう。しかし受動は能動じゃありませんか。受け入れるという行動は果たして責任をともなわないのかな。ぼくは抱きしめて抱きしめられないことを抱きしめますから。オレンジペコーをあじわってください。どちらも同じことですか?ちがうのでしょうか。ちがうとしたら。おなじだとしたら。この宇宙に果てしない宇宙たとえば果物がきいきいと音をたてながらくずれおち犬がかけまわり太陽が剣に穿たれまざあぐうすが反復され恋が墜落したり二十億光年さきの光がうかびあがったりばらが朽ちたり荒地からたちあがったりした宇宙そして海の向こうずっとむこう青年の怒号が五月にひびきノートルダムはアナルの花でロゴスのステンドグラスが構築され美しいわが主にそーだすいのように漸近したりことばがくずれくづれどどどどどどと駆け上がってくる要塞の周りのばんぞくの宇宙そして、あるいは、魚をつかまえるとさかなをわすれてしまう宇宙に。どこかに星座がつくれるのですか。もしよかったらお茶しない?星座をつくりませんか。かわった星座ですよ。あなた。あなた。あなた。あなた。あなた。わたし?どちらですか。すううーと弧線をえがいたきみの腕があのひどのひそのひ浮かんでいって沈んでいってとにかく離れてどこかへいってしまったときからぼくは星座がつくりたかったの。みなそうかもしれないよね。あなたはどうですか。わたしはどうですか。直線はここで終わり。びりーぶが崩壊したのです。それはよくわからないよね。わたしたちは大地をすくいあげて魚をつくらなければならなかったの。馬糞のにおいのする大地。あすふぁるとかもしれないけれど。海のがらすはとてもきれいでしたね。ぼくの体にはあわなくて指をとてもきってしまいました。流れ出る血はどんな意味がありましたか。がらすはぼくを本当にわかっていましたか。ぼくはとても草原の匂いをかぎたいのです。北の大地に流星がながれないように。祈らないように。祈らないというように祈りながら。できないことをできることはできないでしょうか。できないことをできることをできないことはできます。できることをできないことはできます。弧線がながれていきます。ああ。全ては霞のように。だけれど霞にはならないのです。
作品データ
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作成日時 2024-05-20
コメント日時 2024-05-20
#現代詩
#歌誌帆掲載応募
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2024/11/21 23時12分29秒現在
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花非花の独自解釈詩しょうか。ことばで現される視界が心が読み手にイメージとしてすっと入ってきます、いいですね
1意訳すると、どんな花もただの花ではないぞ、という意味かと思います。 信じるということは、言葉でチャレンジを受けます。言葉の花を笑うものはいない、 この詩の世界では。人々の描いてきた星座は、とても重要だから、世界中に広まって います。弧線を描くあなたの手と、直線的に突き進んでいく私の心は、どこで交わるのでしょう。 星座は直線で結ばれ、流れ星は弧を描く。溢れる感情は、星々の悲しみを知っています。 昔から、同じことをしてきました。その表れが出来るだけ。まだ文明が誕生して4000年余り、 星の見る夢の中で、人間の活動はどう映っているのでしょう。今が一番いい時間、 いや、いつだって一番いい時間。
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