肺に巣を掛けた蜘蛛が寂れた路地裏の心で
瞳をダイヤモンドにして牙を研いでいた
彼女の飢えをあがなうには獲物が必要だった
紅の花びらを服薬すれば治るだろう、と、
森の梟が嗄れた声で言うから、
夕暮れの空の色が見せる音階に追いたてられ、
ソワソワと花狩人しよう
されど、そこの暗がりに顕れたのは花ではなく、
花カマキリだったとしても驚くには値しない
騙しあいの世界では、稀少なのは言ったことを成すことだ、と、
子供が大人の嘘に気づく頃、
ニセモノを蔑んで、大河に時として堰をするように、
語らない人になるのは敗者だろうか?
麗しい饒舌が真実の林檎を恵みもたらし足らんことを祈りとして、
その香気を音楽として称えたいのに
人生を、人を、この世界を愛する力が何を成しうるか信じる所作が、
挫けては転びを繰り返して航路を描く
操舵管にかじりつき、吹き飛ばされまいと、
嵐に揉まれてクシャクシャにされてぼろ切れになっても、
凪ぎの静寂に抱き取られて再び立ち上がる時、
携えていたい微笑み、
それは愛を思う熱意です
作品データ
コメント数 : 5
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作成日時 2024-05-17
コメント日時 2024-05-26
#現代詩
#縦書き
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2024/11/21 23時25分33秒現在
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つつましく灯る燈火のような美しい詩だと思いました。純粋に。
0耽美を意識したのですが事実を重んじました。コメントありがとうございます!
0私の詩は何がダメなのか。人気がなくてその理由がわからない。大味?古くさい?平凡?親切な人、誰か教えてくれないかな?
0瞳はダイヤモンドと言うとどうしても松田聖子を思い出してしまうのですが、この詩では「牙を研いでいた」と続きます。愛を思う熱意は奇跡を呼ぶのかもしれません。
0確かにそんな曲がありましたね、私の方はもっと暗いつもりなんですけど。奇跡は思いという風の群れが開ける風穴かもしれませんね。
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