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からっぽ
からっぽの僕がいる からっぽの僕の心はからっぽだ 「からっぽ」声に出して言ってみる 何もおこらない からっぽだから 部屋の中はからっぽだ パソコンはあるし本もあるしゲームもあるし 布団もあるし飲みさしのコップもあるし DVDもあるしいろいろあるけどからっぽだ 今の僕にとって意味のあるものとは? からっぽの脳みそをいじくりまわして 求めるものを探すけど からっぽだから見つからない 確かに僕は生きているけどからっぽなんだ 欲しいものがないとかやる気がないとか そんな単純なものですむものか! 家のすぐ近くに線路があって踏切があるから 明日の始発の電車に飛び込んでやる! からっぽだからそんなことできるわけないとか言うな 始発何時か今から調べたいけどからっぽだからできなかった からっぽじゃなけりゃできたんだけどおっかしいなあ からっぽってなんだか心地よいんだ いろんなしがらみから解放されているのがからっぽだ 死ぬと骨になり骨以外は分解されてがらんどうでからっぽになるんだ 秋風がびゅうびゅうからっぽの心の中を吹くけどからっぽだから寒くない 夏の日差しがぎらぎら照り付けてもからっぽだから暑くない 便利だなあ からっぽって
からっぽ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 626.4
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-05-11
コメント日時 2024-06-18
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
あらゆる言語の感情を表す語句の中でどんな感情も一言として完全に一致するものはない。だけど『からっぽ』って言葉は感情でもあるが、あらゆる感情の果てにある帰結だから、その一言で自分を説明できたかのように思ってしまう。だから「からっぽ」な状態にある自分を自覚さえできれば、説明できなさに疲れることもないし、原因に頭を悩ませることもない。言ってしまえば詩にあるように『楽』で『便利』な言葉だ。でもこの詩の語尾の節々に現れているように、だからこそ厄介な言葉だよな、と思った。
1コメントありがとうございます。筆者自身、説明できないことを言語化していただけてありがたいです。
0透明なガラスコップに、小さなサイコロを入れて揺らして、からんからんと音が鳴るような詞だと思いました。 からっぽだけど 透明だなあ。
1コメントありがとうございます。ご自身の作品同様、秀逸な比喩でのコメント、嬉しいです。
0「からっぽ」という単語を見ると、私の好きな安部公房の「S・カルマ氏の犯罪」を思い出してしまう。 この詩だと何からも解放されている感覚、肯定的に捉えられていますが、それは現代人だからかもしれませんね。 上の小説は、友人や恋人もいて、仕事にも就いていた人間がすべてを失い「からっぽ」になって、絶望感に襲われる話です。それとは反対に、「何者かになれ!」と執拗に求められる人にとっては確かに「からっぽ」は便利なのかもしれません。 しかし、共通する点は満たされなさですね。「からっぽ」はなんでも吸収しようとします。この詩の第一連のような雑多なものを集めてはまた別のものへ。 これからの人々にとって「からっぽ」はどんなものをもたらすのか、この詩で興味が広がりました。
1熊倉ミハイさま コメントありがとうございます。「S・カルマ氏の犯罪」初めて聞きました。一度読んでみたいですね。これからの人々ですか。うーん、日本人は細かい暗黙のルールが多いように思うので、「からっぽ」のほうが楽に思えます。
1からっぽなのか、ぎゅうぎゅうすぎるのか、わからないときありますね、、
1ほりさまコメントありがとうございます。はて、からっぽなのかぎゅうぎゅうすぎるのか、わからないときとは?どうもピンときませんが……考えておきます!
0からっぽの空にトンボ飛ぶ。パンク精神等も感じながら、やはり相野さんは、元気な人だと 認識しました。
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