6階の窓から外を見た
白いおじさんと黒いおじさんが
横断歩道ですれちがう
ふたりは昔幼かった
ふたりは昔話していた
ふたりはかつてすれちがっていた 言葉も交わさないまま
今日は日が差していた
春か夏かの境目で
ビルの事務所ではグレーゾーンをグレーゾーンのままにする大人と
そうじゃない大人が電話で話し合っていた
大きいビルと
大きいビルの間
窓の向こうの
静かな日陰で
少しすれ違って
別々の行き先へ
うまくやるためにそれぞれ試行錯誤していて
距離と道のりは違うって よくわかる
このビルにはない
もっと上の階に行って
あるがままのような網状線
道は全て繋がっているって よくわかる
過去は思えばながかった
ふりむけば
てか 西日がまぶしいワン
でも 西日がまぶしいワン
ふたりの間には
じつはグレーのおじさんがいた
どっちの連れかわからない
グレーのおじさんがいた
白いおじさんは 自転車に乗っていた
海に道が走った時 少し上がった水面の
そのかさの分が
雨になる気がした
かさの分だけ 浮ける気がした
かさの分だけ 話せる気がした
すれ違い終えたら グレーのおじさんはいなくなった
ゆっくり海は塞がれた
電話は解決した
受話器をおいて 死ね、クソババア
彼女は昨日 気がかりだった
電話線はローリング 二転三転している
作品データ
コメント数 : 4
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作成日時 2024-05-05
コメント日時 2024-05-07
#現代詩
#歌誌帆掲載応募
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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2024/11/21 22時09分06秒現在
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昔の事を思い出したりしながら、おじいさん同士が話をする。 おばあさんのことで。海は、蒸発する。適度に。 美しい詩で、思い出を残して下さって、ありがとうございます。 今の時刻では、西日がまぶしいです。
0よく練られているようにも見えるのですが、それよりも型にはめられていない文体の方に興味が湧きました。その人の作った料理だったら、また食べてみたいなと思いました。
0ありがとうございます。初めて詩を書きました。自分の詩ですが、黒髪さんのコメントでまた見え方が変わりました。詩ってすごく面白いです
1コメント、ありがとうございます。詩の知識がないのと、あまり読書量も少ないので変なものができていると思います。詩が好きな友人に送ったところ、伊藤の良さが出てると言われました。
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