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覚醒までのスケッチ
手に掴まれていたのは食器洗いスポンジ 鄙びたスーパーでは 春雨が乾燥しながら時を待っていて しかし水は何時までも静かだ 何ものかにのしかかられ 逃げ出そうと藻掻けども 聴こえるのは 無関係な叫びばかり 黄金色した昆虫 ふかふかとした土にはえる昏い色の草 そんなものたちと一体化して その後で… 漸くわたしはかえってくる
覚醒までのスケッチ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 796.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-01-26
コメント日時 2018-02-02
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
台所で、ふと覚醒した瞬間。語り手の手には、スポンジがある。今、私はどこにいるのだろう、そんな瞬間ということでしょうか。 急に「鄙びたスーパー」が現れる、ここになんの「説明」もないところに、クワンさんは「詩」を感じられたのかもしれませんね。恐らく、語り手が買い物に行った先のスーパーでの光景、干からびた「はるさめ」に、詩情が抜けて干からびた心の自身を重ねている。春雨、という商品名を記すことによって、雨、が語り手の心に呼び出される。春の雨、語り手の心を再生させる雨、雨水・・・そんな繋がりを想起しました。 三連目は、森の中、土の中で冬眠から目覚める虫、春になって這い出してくる虫や、萌え出る植物の芽のイメージですね。 台所での夢想と覚醒の一瞬(1連)、日常の鬱屈に封じ込められているような日々(冬眠にも似た日々)の回想(2連)、そして心を自由に(想像力によって)芽吹き始めた春の大地に飛ばし、そこでのひととき(一体化)を経て、また現実の肉体に戻って来る(3連)そんな心の旅路を描いた、と読むことができそうです。 序破急の形に良く整えられていると思いますが、イメージの飛躍の仕方が少し急すぎるような印象もありました。 鄙びた~と春雨が~の2行を一字下げにして、心の居場所が少し変わっている、そんな視点の相違を示してみる、とか・・・全体を4連にして、2連目に到る情景を書き込むとか(それだと、重いシーンが2連続くことになってしまうので、)あるいは3連目に飛ぶ心の飛躍を描く、とか・・・(春の日差しをあびて、霜が溶けていく窓、とか・・・そこを透過して、心だけが外の「芽吹き」の場所に誘われていく、というようなシチュエーションを間に挟む)全体に4連構成にしてみるという方法もありそうです。
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