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黄金の果実
左膝をついた。 風化した遺跡のように 電池切れ寸前の男は項垂れた。 左手で地の砂を握り締めて 全身から力がぬけた。 心は罅割れ流せる涙は見つからない 擦り切れた頬からは涙の代役が溢れ出す。 半分しか見えぬ男の瞳が捉えたのは、 男が生涯をかけて欲した 一億五千万キロの、黄金の果実であった。
黄金の果実 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 516.5
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-03-16
コメント日時 2024-03-19
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
こんばんわ。 映像として、頭の中に構築していくかいがある文章だと思いました。 BGMは何だろうか、配役はという事を考えるにはうってつけな、ロマンチックな想いを馳せる事が出来る作品。 いかようにも黙考出来ると思いました。 作品、ありがとうございました。
1全体的に砂のイメージで書かれているのでとても渇いているイメージを持ちます、渇望ってやつですね、これが何時何時であるのか時間や季節を、男の心情や生き様なんかの暗喩として置くと、もっと奥深くできるかなと思います。ラストに 一億五千万キロの、黄金の果実 という表現に置き換えたのがとても光っていて格好良いです。これが希望なのか別れなのか、読み手に託されていい感じです。
1一読してみて、ディストピアやアンドロイドを思い浮かべました。 砂漠ばかりの世界でずっと欲しかった希望が見つかる瞬間。その様子を美しく表現していると感じました★
1ひび割れ、風化するまで心の潤いが無くなって、砂を握ると力が抜ける→砂に身体が溶けていくようなイメージで、力尽きるまでの一人の人間の表現が滑らかです。 A・O・Iさんの指摘の通り、一億五千万キロの果実は、果たして彼の希望なのか。膨大すぎる希望には逆に反感を持ったりします。そもそも、そのまま砂になっていくことが自然体で、救いかもしれない。それなのに最後に出てくるのは無慈悲で、不条理な果実だなと思いました。 いい詩です。
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