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さもしいひと
正当化が 我を 自分を赦せと 美化す されるほどに まやかし 悪でもない、 正義もない ないよ そんなもの けれども 父よ 女性らしく 異性を あるいは 同性も愛し、 けれども 嫉妬する 近視で顔を なぞる手のひらが 慣れ慣れしくも あたし 愛でしょうか 父と家族を 惰性のように、 ねえ だから つながったら お父さん 血が降ってきたよ 血が降ってきたね こそばゆい 少し傾く膝のうち みえない場所が 口開けて 胸をひらく さもしいひとが 隠れた鬼のようで 無明が 愚かに落ち 落下する動きと息が、 音の形に 合わさる なれば こすりかす 滲み出て、 雪のせいで 窓の向こうが 恍惚にぼやけたよ ねえ だから つながったら お父さん 指し込む夕暮れの 神さまが ものわかりよく みえたりきえたり きこえたりしている
さもしいひと ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1013.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-01-21
コメント日時 2018-02-01
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
詩の世界における 「言葉狩り」「表現狩り」について考えていました。この「言葉狩り」「表現狩り」が進めば、詩書きは「ありがとう」とか「おやすみ」、あるいは「どうかお元気で」とかしか言わない、あるいは言わずに済む時が来るのではないかとおぼろに考えていました。 そこへすっと入って来たこの詩。 「指し込む夕暮れの 神さまが……」というくだりが、削りに削った「言葉の跡」を感じさせてとても好きでした。拙作「白い固定電話」もそのような思考が反映されたものです。どうか詩書きたちが「ありがとう」とか「おやすみ」しか言わない時が来ないように。「ものわかりのよい神さま」にお願いして。それでは長文失礼しました。
0stereotype2085さん コメントありがとうございます。最近、私は不感症になってきてまして、残酷なこと、悪いこと、不快なこと、それらが多数の方々とはズレている感じがあるんです。それは私が若くして結婚し子供を持ったので、娘との距離感にも一般的なズレを感じます。私を是非、倫理観とか国家のルールで縛って欲しいとも願う時もあります。私みたいな人間は監視されていないと無知の罪を犯してしまいそうで。でも、私が知る限りにおいて神様はいいかげんです。 失礼しました。
0花緒さん コメントありがとうございます。鋭いですね。当たっております。昨年ブンゴクへ失意夏雪という名で投稿していたうちの一つが本作なんですが、いかいか氏的なものを書いてみたい、という気持ちで作った作品です。オリジナルについて振っていただいたので、ついでにちょっとコメントしておきたいことがあるのですが、私はオリジナルなものへのこだわりをまったくもっておらず、どちらかといえば、音楽界隈のように「彼の音楽は誰々の影響で誰々へのリスペクトがある」という話であったり村上春樹はフィッツジェラルドの影響を受けている話など、肯定する派で、平たく言うと、芸術家の方々がお持ちのオリジナルの追及なんて話をきいてしまいますと、ごめんなさい僕はただの遊びですと、謝ってしまうくらいな信条です。が、しかし、尊敬する詩人の方が言ってました。私も創作・投稿については同じ気持ちです。 「真摯にとか、努力してとか教条的な話をきくと吐き気がする。真面目に書かなくても面白けりゃいいんだ」
0正当化が~ないよ、まで、ひとつの文章を口から、もしくは文字として発する前に、なかば無意識に繰り返される言い直し、推敲の過程が、そのまま置かれているように思いました。 そのあとは、モデルがいるのかいないのかはわかりませんが、他者になりきって自分を見つめながら言葉を置いている感覚があり・・・ ねえ、から以降の呼びかけてきなフレーズは、縦糸にエロスが仕組まれているように思いました。 詩を書く、というひとつの「陶酔」もまた、エロスなんでしょうね・・・ 藤本義一の描いた三味線引きの路上芸人の女性を、何となく思い起こしました。
0まりもさん コメント有難う御座います。ネタバレしますと本作は「私の男」という映画の1シーンをモチーフにいております。父と娘の近親相姦の話であり、エロな話です。
0ボルカさん コメントありがとうございます。いや〜ボルカさんの後半のコメント、なんか、めっちゃ勉強になりました。久しぶりに、ああ、なるほどって感じで。最近、私、ちょっとテクニカルな面に逃げていた感がありまして。いや、テクニカルというほど、なんか高度なことやってないんですが笑。新たなステップアップが出来そうな気がしてきました。ありがとうございます!
0拝見しました。 私事からになりますが、自分の詩には足りないものをひしひしと感じる作品でした。つまり、自分の脳の深くに訴えかけてくるような、電流がビリッと走るような感覚を覚えました。 言葉遣いに、美しさだとか、そういったものとは別次元の「何か」を感じます。 淡々とした文から突然入る「愛でしょうか」が特に良いと思います。 所々入るひらがなが、この詩の味を出しているようにも思いました。
0藤井龍平さん コメント有難う御座います。 言葉の美しさについて修行中なのですが、これは難しいですね。詩の世界は深すぎて深海で息が出来ない気持ちになりますが、言葉の美しさを求めますと、なんといいますか、太陽の位置がどこだったかわからんようになってしまいます。
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