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水槽の街
夕立が止んだ街は鳶色に光って 空は遥かに 君は近くて遠い人 心を空き巣に襲われる 切ないファッションモデル だけどあの朝がほどける頃 君をさらってあの電車は遠くの街 どこか遠くの街まで 優しい街まで行ってくればしまいか 君の目に映るものは 大体濁った水槽 もっと水面の明るい日差しを求めて泳ごう その悲しい目から涙がこぼれたら 君は溺れてしまうのかい ひかりが滲んで見えなくなるまで 手を振っていよう ボートで駆けつけた僕の゙右手を 君はどんな目で見るのかい そしたら二人手を繋いであの丘まで行こう 虹の足もとまで駆けてゆこうよ 体の痛みに心が連れて行かれぬように 君が繋ぎ止めていておくれよ はしゃぐ子犬を その感情をつなぐ優しい首輪のように このまま何もかも忘れて 雑音はあの日の引き出しにしまって 君とどこまでも いつまでも駆けてゆけたらいいのに 時間は振り向いてくれない 振り子にしがみついても 知らんぷりで冷たいリズムで揺れる だけどこの時間だけは この脈動だけは 今は 今は 今だけは 僕の 僕らの 二人だけのものだから そう信じさせておくれよ 虹色のとんびが飛ぶころ 雨のしずくが途切れるころ また僕たちは息を続ける
水槽の街 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 700.1
お気に入り数: 2
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-01-25
コメント日時 2024-01-26
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
>だけどあの朝がほどける頃 >雨のしずくが途切れるころ この二句が、とくにいいと思いました。 鳶色というのは、日本人の瞳の色だそうです。
1優しい詩に癒されます。最後の連、虹色のとんびとしたところが冴えています。
1丁寧な記述が光る、叙情‐叙景詩であると感受を致しました。 「鳶色に光る町」が「虹色のとんび」、つまり晴れ間に回収される、構成を見事、とも思いましたが、稍、上手く纏まり過ぎていらっしゃる心地が致しました次第でございます。 詩は、物語的回収を超越する時に生起し得るものでもあるとも思いますので、帳尻の合わぬ、炸裂的な印象へと挑戦を試みられても宜しいかも知れません。
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