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インソムニア
ぼくか?僕は南雲 南雲総一郎、詩人と呼ばれる者だ 感情は波形をとる その形そのままに言葉を敷き詰める事が出来る 僕のイメージは無限に繋がってどこまでも繋がっていく 其々の面が持つ物語を立方体にしてかさねあわせ、其れをつなげた時に、どんな物語から始めたものでも100の連鎖を経た時に 気がつけば万博の案内掲示板の前に立っている1937年7月12日のパリ万博に存在する事になる、これは脳が見せる幻だろうか? バガテルを組み合わせて立方体を作って其れを無数に繋げていくには想像力の波形を捕らえて乗りこなす事が重要となる 全ての人類の意識の中に1937年のパリ万博そのものがインストールされているなんて馬鹿げた事をしたのは誰だろう 其れは考案者達と呼ばれると万博内で流れるラジオは語りかける ヒトゲノムを操作して君を僕に近づけようとする誰か 僕らの言語が空からふるハネ一枚一枚の意味を識る為に? 悪意と呼ばれる天使のような悪魔 僕のイメージの中で歌がはじまる 迷いとひかりを歌歌い6枚の羽は孤独の色を振るわせる 悪意の声が僕の歌にかき消されてその喉笛に僕は噛みついた 其処から見える星空に手を伸ばして月を掴んで握りつぶした その悪意はエアロスミスと言うらしい ピンバッジに閉じ込めた悪意を 精神で形作った制服の胸につける この世界を識っているのは僕だけだろうか? ラジオ放送が言うようにパビリオンへ向かっていくと風船が空に上がっていって 広場で女の子が歌い出す コントラバスとチェロの奏者があらわれる 長椅子に座っていた老人が立ち上がり歌い出す、次々と奏者があらわれてくる 空に放たれる鳩と風船 広場に沢山の人が集まってくる 数人だった奏者はいつのまにか数えきれない程の数になっている みたことのある男が歩いてくる すれ違った時に放たれた銃弾は狂いなく正確に僕の胸元に突き刺さる 「ようこそこの世界にあべこべのことはすんすんにきけばいいよ」 空に落ちてゆく沢山の風船と 広場に雪崩れ込んでくる聖歌隊の人々 僕は僕の名前を叫ぶ 僕の名前は南雲、南雲総一郎だ 気がつけば僕は大学のキャンバスの長椅子に 横たわっていた 夢だろうか?カバンの中のカセットテープの再生が入れ替わる
インソムニア ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 599.8
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-01-16
コメント日時 2024-01-18
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
夢幻の世界なのかもしれません。でも単なる夢とは違う、学習や、カセットテープの中身から得られた、貴重な詩源が有るような気がして、夢とうつつの世界。もう出られないかもしれないぐらい対象化が難しくて、夢と現実の区別が難しくなっている。とっかかりは1937年のパリ万博なのかもしれませんが、認識を誤ると、脱出不可能な現実世界の中で詩が死んでしまうのかもしれないぐらいのワールドをこの詩から意識させられました。
0有無も無く、佳い物を拝読させて頂きました。 素晴しい完成度。 「君」と「僕」、 「汝」と「吾」の同一化の果には、エゴイズムの悪意が俟っている、とは、穿ち過ぎでしょうか。
0お読み下さりありがとうございます ちょっと訳がわからない内容だったのですがコメントをしてもらってありがたいです 来月は少し補足を入れたいと考えております
0お読み下さりありがとうございます ウシジマ君ではないのですが 釘バットで顔面フルスイングを文学で表現できればとは考えております 突き抜ける事は単純に才能、 持っているかどうかみたいな感じに なるのでなるべく自分が楽しめるものを心がけて来月も投稿しようと思います
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