名前を削除したから
夏が終わったんだね
君に借りていた記憶も返せないまま
静かな夜中の改札口
後悔を嘔吐する
虫たちだけに聞かせた
僕の呪詛は
たぶん『好き』って感情から生まれた
抑えてもあふれ現れた
星の瞬きが欲しいと
わがままを願うには
僕は
いまさら夏に手を伸ばしても
もう永遠の中に埋葬されたのにね
また遅刻しちゃったな
アプリをアンインストールするほど
簡単にはいかないみたいだ
『黄色の中で破裂した珊瑚礁は
竜宮城につづいているんだよ』だっけ?
うまいこと言うね
僕のバカさが際立つくらいに
君の唇の紅さを
思い出す
ふいに上がる君の口角が喜びだったよ
間抜けな僕を地獄から這い上がらせるくらい
暖かな陽だまりだった
君のいない秋の入り口で
手帳を開く
借りていた記憶を書き出して
電車に乗り込む
一つ一つに丁寧に赤く丸をつけ
弱虫と、書き足して
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 588.4
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-01-13
コメント日時 2024-01-16
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:588.4
2024/12/04 03時14分31秒現在
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もし失礼だったら申し訳がないのですが、一つの諦めでしょうか。そう判断したのは、 名前を削除した、とか、いうところからです。でも、それだけでは確かではなく、 真の名前を知ってしまった、というのが本当である、という読み方もできます。 すると、真の愛が続いていくということが確かで、弱虫から脱することのできた 恩を感じていることだけは確かですね。そんな詩行を読めて、僕は幸福でした。
0軽みを装い乍ら、かなりハイコンテクストな記述であると感受を致しました。 二重括弧を此処まで効果的に使用なされるとは。 そう言えば、青虫(蝶に羽化する)と赤虫(蚊に羽化する)の差異など、考えると面白いですね。 今は、そこかしこに外来種の赤虫が羽化しそうな状況でございますが。 マラリア蚊にも、除虫菊が利く事を祈りつつ。
0黒髪さん、ありがとうございます。 諦めから始まる物語もあるものですね。 そういうのはけっこう辛さもありますが、それはそれでなかなかよいものです。 後になってから開く宝箱もあって、そういうのはすぐには気づけないのですが、そこに入っている宝石は、生まれてきてよかったなと思えるくらい光りますね。
1鷹枕可さん、ありがとうございます。 読みやすいと思うのですが、それなりに練ってはいますね。 「羽化」というのは一つの成長の在り方ですね。 そういう成長をしたいものです。 外来種も日本の風土にいい感じになじんでくれたらいいのですが。 多くの場合、外来種を招き入れているのは人間なので、そのツケは人間が払うことになるでしょう。 致し方なしです。
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