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船場汁
船場汁っちゅうのは 塩鯖のアラを使い、 その塩気と、 だしだけで食べるもんや 汁の具は鰭と目玉、 鯖の骨やらのアラのほかに 大根の薄切りをつかう そんだけでもう十分やろ 板張りの冷たい床で ちゃんと正座して食べる 立派な朝ごはんやろが 水臭けりゃな、涙垂らし 傷だらけの御膳にのせた、 白いごはんと沢庵一切れ あとは湯気の立つ船場汁や さ、はよう食わんかい
船場汁 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1220.3
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-01-07
コメント日時 2024-01-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
- 船場汁はいいと思った (万太郎)
きいたことないから調べたら大阪の家庭料理なんですね。えらく美味しそうに見えてしまうから食べたくなりました。でもきっと我東北民なので薄っすく感じてしまうのだろうな~
0一応、船場汁は大阪の郷土料理となっているんですが、今どきの船場汁はかなり美化されたレシピとなっています。 船場汁を啜るのは、地方の貧しい家から船場の商店へ身売りされた丁稚で、実際の汁には鰭どころか具などまったく無かった可能性が高いです。 力士の世界のちゃんこ鍋もそうですが、たぶん具は先輩たちが先に食べてしまうのでしょう。 ソルジェニーツィンの書いた「イワン・デニーソヴィチの一日」にも囚人たちが啜る水っぽいスープが出てくる記憶があるのですが、それに似たやつです。 ちゃんとした鯖の身を口に出来るのは、旦那さんの家族とせいぜい番頭さんくらいだったと思います。 食べる場所も畳の部屋ではなく板の間です。おかずが多いと飯もたくさん食べてしまうので沢庵が一切れでもあればまだ良い待遇だった筈です。 ボクは花登筺原作の「あかんたれ」等の船場を舞台にしたドラマをテレビで観たことがあるのですが、まさにそういう世界です。
0あーそういう背景を知ってしまうと一概に美味しそうとは簡単に云えなくなりますね。詩の調子として多分相手に教えている、ということは初めて船場汁を食すわけだ、一切れの沢庵でもあるということはまだ待遇は悪くない、丁稚奉公に出された者の、はじめての朝餉というわけですね。そういうことですかー。私はこの詩を読み手に対して勧めているようみせているものなのかなと思ったのです。いやそう読めるようにも仕掛けているのかな。
0完成形をかき混ぜながら、解説し、最後に 「さ、はよう食わんかい」 だと一瞬思ったのですが、出来たものを器によそり、そこまでやって、こう言うと言うことは、運んだんだと思うのです。運んだ後解説をする。 みかんばたけで働いた時、みかんの解説をおじさんにされました。 色々なシチュエーションが浮かびました。汁だから当然寒い日がいい。 素朴な中に、不思議な魅力を感じました。 旅をしている人の詩ですね。椎名誠さんみたいです。
0まだ若いころ、 冬の北海道を 旅行したことがあるのですが、 外は寒くても 建物の中に入ると どの部屋も 半袖で過ごせるくらい暖かい。 おそらく冬の北海道よりも 冬の船場のほうが、 家の中は寒いはずです。 なので板の間で食べる船場汁は、 どんなに水臭(味が薄)くても、 やはり御馳走だったと思います。 船場汁の温かさは、厳しさを和らげます。 だからボクにとっても、 船場汁は嬉し哀しい料理です。
1新入りへの解説と同時に、 読者へも疑似体験をさせようという 姑息な目論見があり、 ボクという人間の嫌らしさも 出汁として利いているかもですね。 最近、詩について思うことは 数多の食事があるなかで ミシュランの星をめざすシェフもいれば 安くて旨い食事を提供する 下町の大衆食堂のオヤジもいるわけで 客にとっても、 ミシュランの星なんかどうでもよく 実際、 ミシュランがまだ訪れていない 素晴らしい名店が無数にあります。 ボクも★よりも、 読者に美味しいと感じてもらえる 皿盛り(※)みたいな詩を 書けたらと思います。 ※皿盛り 京阪三条駅からすぐの店 篠田屋の一品 (カツカレーのようでカツカレーではない) https://www.amakaratecho.jp/amakara/pickup/1318288_13275.html
1美味しそう…… これ第1連でいきなりめちゃくちゃ美味しそう。これ「だけ」で「十分」って、やっぱそれ人間的に大切なことのような気がしてきます。 ありがとうございます
0まるで映画のワンシーンを見ているような描写に引き込まれました。 語り部のおじさんの話し方から、最初は荒っぽいなという印象を受けましたが、船場汁について詳しく教えてくれたり、食べるのを勧めてくれたりする表現から、不器用だけど仲間思いの優しい人なのかなと感じ、少し微笑ましく感じました。 最後の「さ、はよう食わんかい」の台詞が、作品の最後をうまく締めていますね!
0船場商人が【冷たい】かというと、 実際に、東西は堺筋から立売堀までと 南北は長堀から船場センターまでの 南船場~丼池界隈を知るボクには 【暖かい】という実感があります。 何を隠そう、ボクの妻も 船場のネクタイ専門問屋に (職場は御堂筋沿いでしたが、、) 少しのあいだ働いていました。 商人の町、船場と文学は なぜか関係が深く、 南船場4丁目には、 山崎豊子さんの実家である 塩昆布や佃煮で有名な 「小倉屋山本」がありますし、 昭和天皇も読んだと言われている 「細雪」の舞台も船場です。 余談ですが、南船場三丁目には うさみ亭マツバヤというお店があり、 ここは「きつねうどん」発祥の 明治26年から続くうどん屋さんです。 また同じ3丁目に、 大阪農林会館という お洒落な建物があるのですが、 この建物の地下には、 イタリア政府公認のレストラン 「コロッセオ」があります。 2軒とも、ボクのおススメの店です
1あ、映画と言えば【ぼんち】です。 いぬがみけの
0あ、映画と言えば【ぼんち】です。 犬神家の一族を撮った 市川混監督の作品です。 原作は山崎豊子。 この映画は、 船場商人の生き方がよく表されている と、ボクは思います。 機会があったら是非観て下さい。 オススメの映画です。
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