夏ですね。夏休みですね。あと共通テストまで半年もありませんね。
何故か勉強のやる気が起きなかったので、宇宙のことを書こうと思います。そう、この星の大気を抜けた先に広がり続ける空間と、そこに浮かぶガスや岩石の塊たちのことをです。
小学生の頃、私は体質的に暑いのが滅法ダメだったので、放課後や休日は図書館で過ごしていました。図書館といっても、もう今はない、公園のそばにあった小さなさびれた分室です。そして、私はそこに「住んでいた」といっても過言ではなかったので、ある時、気になる絵本も小説も漫画も全部読んでしまって、小学館の図鑑の棚に手を伸ばすことにしました。魚、虫、植物―普段見ることのない世界中の様々なものが載っている図鑑は、とても魅力的で、飽きる間もありませんでした。特にお気に入りだったのが、そう、宇宙のものです。
私は小学生にして宇宙に魅了されてしまいました。図鑑は何度も読みましたし、お盆に田舎の親戚宅に泊まりに行くと、ずっと外で流れ星を見つけるために空とにらめっこして、天文台や宇宙館にも連れていってもらいました。世界で初めて冥王星が撮影された時は、とても感動しました。数年前までは、冥王星はどんな姿をしているのか全く分かっておらず、他の惑星はちゃんとした写真が載っているのに、冥王星のページだけは灰色の円の穴がぽっかり空いてる。それが当たり前だったんです。そのため、教科書に写真が掲載されるようになったのもつい最近のことで、いい時代に生まれたな、と思います。あのクリーム色のハート模様、可愛いですよね。ブラックホールが撮影されたときは中学生のときだったでしょうか。丸一日放心状態になりました。本当、あの驚きはとても言葉で言い表せません。「バタフライ星雲」とか「すばる」とか、好きな天体もあげるとキリがなく、実は宇宙飛行士ではなく天文学者になって、天体の研究をするのが夢(高一の頃まで天文学科に進む気満々)でした。「宇宙飛行士は?」と言いたくなるかもしれませんが、なりたいとは思いませんでした。というか、なりたいとは思えませんでした。あることを知ってしまって……
最初に、宇宙を「広がり続ける空間」と言いましたが、実は、文字通り広がり続けているんです。ハッブルの法則っていうのがあって、模様のついた空気が入っていない風船を想像してください。で、頭の中で息を吹き込んで膨らませていってください。そうしたら、模様が縮尺は同じまんま、大きくなるでしょう?これがその原理です。宇宙も同様、大きくなっているんです。すると、ある疑問が生まれると思います。「風船だったら限界が来ると割れちゃうけど、宇宙はどうなるの?」実は、3つの仮説があります。
まず1つ目が、際限なく膨張し続ける。2つ目が、ある一定で膨張が停止しその大きさを保つ。最後3つ目は、膨張した後に今度は「縮んで消えて無くなる」。下手に地球の外に出るとろくな死に方をしないと悟り、憧れは恐怖に変質してしまいました。宇宙がなくなる。天の川銀河がなくなる。太陽系がなくなる。地球がなくなる。生き物が全部亡くなる。当たり前のことだけど無理に自覚させられると心が追いつかなくなりました。数日食事が喉を通らなかったのは、良い思い出です。今でも少し怖いと感じることもありますが、やはり天体写真の美しさを目にすると、それも忘れてしまいます。もう同じ目にあうのは勘弁ですが。杞憂もいいところですし、本当。
宇宙のことを考えれば悩みが消えるとはよく言いますけれど、間違いなくやめたほうが良いです。そんなことを考える癖がついていると、かえって負の連鎖に陥ったり、漬け込むような人間が出てくると思うので。そういえば、今週はお盆ですね。流れ星、見えました?
作品データ
コメント数 : 4
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作成日時 2023-12-28
コメント日時 2024-01-27
#現代詩
#縦書き
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2024/12/04 02時41分10秒現在
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今の季節と違うのですが、大学共通テストまで半年もないと宣言されると、何となく、時間の波に乗れるような気がしました。小学生の頃の思い出から、天文学者へのあこがれ、宇宙飛行士にはなりたくない理由など、明快に語られていると思いました。お盆だったのですね、流れ星や、宇宙の事を考えることから来る憂鬱など、結構現実的な思考が明快な詩だと思いました。
0ガリレオが、相対的に運動している者同士から見て、違う運動が起こっているように見えても、 物理法則は変わらずに、物が動き続ける法則が変わるのではない、ということを洞察して(すごい!)、 一般民衆の不安や懸念を消そうとしたそうです。それには、時間がかかりました。宇宙を思って、 どんなことを感じるかということも、ただの懸念であり、宇宙は変わらずあり続ける(はず)。 ですが、アートマンとブラフマンは同一ですので、ベッドに入る時に柔らかい布団に包まれた 幸福が、もし好きな人と一緒だったらと思うと幸せ度合いが段違いになってしまう~、 なんて思うことは、宇宙自体を変えてしまうのかもしれません。 この詩を読んで、子供の頃を思い出しました。プレアデス星団とか、バラ星雲とかが好きでした。
0物語を完結させる、書き切るというのはとても重要で、そこに(作者の)想像力をどのくらい付加できるか、によって作品の密度や読後の気持ちをかけがえのないものにできるかが決まってくると思います。きっとこの作品はそれが出来ていると思いますし、僕はこの作品が好きだと思いました。
0・文章量は長いけれど良い意味でクセのある言い回しとかが無いのでスラスラと読みやすかった。 ・宇宙飛行士になりたいと思わない理由の所がちょっと説明文すぎるかなと、なんか思い出を振り替えっている感じのままで通して欲しかったと思います。
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