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遺す
車に乗り いつもの様に帰る あの子牛は死んだのに 昨日まで元気だった子牛 今朝苦しみにあえぎ 死んでいった 洗車場で解体され 剖検し 肺から膿が噴き出て 血と共に 流れた あの子牛が死んだ後も この世界は続いている たとえ誰が死んだとしても この世界は続く 自分も死ぬのだ 死んでいった牛たちと 全く同じく そして この世はただただ続いていく 善いものを遺すとしよう 死んでしまって 産まれて死んだ記録を遺して いなくなった あいつらを 少しでも 善い何かにして 次の日 仲間がいなくなったのに 何も変わらず 牛たちが反芻しながらやってくる 元気でいろ それが前らの宝物だから これから 宝物を遺す そして文章を遺す
遺す ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 378.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-12-16
コメント日時 2023-12-16
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
いつか自分が死んで、世界からいなくなっても、この世界は何事もなかったかのように、ごく普通に坦々と進んでゆく。そのことが何かひどく不条理なことのように感じることもあるでしょう。 でもときにはそのことが、心の救いになることもあるような気がします。 この詩の仔牛はひどい細菌性の肺炎だったのでしょうか。 野生のホッキョクグマの赤ん坊の生存率は50%以下という話を聞いたことがあります。 動物の世界では、仔が成熟せずに死んでゆくことは珍しいことでもも悲惨なことでもなく、ごく当たり前のことで、そんな中で、それを織り込み済みで命が繋がれてきたのでしょう。 自分が死んでも世界は普通に進んでゆく。それが当たり前のことで、そうであることが救いである。そんなことを考えました。
0剖検の結果、肺にマイコプラズマが潜んでいた膿瘍があってそこが破裂したのが原因なようです。 一時期かなり体調が悪かったのが持ち直したのですが、外見や聴診ではわからない爆弾が爆ぜてしまいました。 良くも悪くも世界は続いていく。それが痛感した出来事でしたね。 なので自分なりによい物を遺す所存です。
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