壁から草が生えてくる 壁よ
次から次へと
細長い葉 冷たく白い壁よ
丸い葉
細かい葉 その無機質な
大きな葉
様々な葉が 傲岸不遜なる
むらむらと生えてくる
やがて壁一面 白い面を
葉で覆われて
屹立する草原 我が根を以て
緑に呪われた壁
草いきれの波 亀裂の網で
群れる葉は何も言わぬ
ただただ茂るのみ 覆い尽くして
密集した葉の中から
か細い蔓が伸びてくる 己の傲岸さの
やがて蔓は
ぐるぐると旋回し始める 醜い重みで
絡め取られるものを
探すかのように 崩れ去り
あるいは
勝利の雄叫びのように 瓦礫と化して
その間にも
草はむくむくと 風雨に砕かれ
なおも茂ってゆく
重なり合う数多の葉は その傲りが
その色の濃さも
厚みも増して 塵となるまで
花を咲かせることもなく
その深い緑を以て 我は取り憑く
己の存在を誇示してゆく
壁から草が生えてくる
次から次へと 我は
葉脈の分岐に
緑の呟きを
満たして
次から 憑く
次へ
と
作品データ
コメント数 : 5
P V 数 : 667.9
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-12-13
コメント日時 2024-01-27
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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閲覧指数:667.9
2024/11/21 23時24分00秒現在
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これは力作ですね! 構図もいいですし、客観的な壁の描写とその壁に茂り続ける草の狂気じみた思考が並列に描かれるのは斬新でよいです。 即興で返詩を川柳で。 海のよに 食いつくす 壁に波打つ 傲慢不遜 茂る草 覚悟せよ
0コメントをありがとうございます。 力作との評をいただき、たいへん嬉しく思います。 街中の壁面緑化を見て、何となくこんな詩を思いつきました。
0ほんとこれ力作ですねえ 文字数制限がバッチリだし きちんと上下で収まっていて美しいし 意味も通ってる ビジュアルも草のツタっぽいし 上は説明で下は草の気持という かなり凝ってますね… 好きな人は好きなはず
0コメントをありがとうございます。 力作との評をいただき、たいへん嬉しく思います。 文字数制限についてはあまり意識していませんでしたが、自然とこのような形になりました。 ツタっぽいビジュアルになって良かったです。
0・空き家もちらほらある田舎暮らしなので、壁を這う葛や蔦というのを見ているんですけど、視覚での再現が高い文章構成だなと思いました。 ・思いついたとしてこうやって形にするには時間の掛かる詩だと思いますので、それを形にしたと言うことに天晴れです。
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