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彼女へと翔ける愛
狂おしく我が物にしたいとか 彼女といると世界が輝くとか そりゃあ そんな情を描く方がドラマ映えするだろう 彼女といるとひとえに優しくなれる 彼女の心の在り方をどこまでも尊重したい この世界には一体いくつのそんな ピアニッシモのように静謐な愛があることだろう 胸の空洞を埋めるようにもたれ合うんじゃなく ただ愛を分かち合いたくて身を寄せ合う それは自立した者同士の 自分の胸は自分で潤わせることができる者同士の そんな2人の温もりの共有 だから、胸が乾いた折にはむしろ彼は1人になる 彼は衣服を正すようにして胸を正して 彼女にふさわしい人となって再会する 甘えや弱み、心の傷― 万一それらが表出される折には、2人は それらを実にエレガントな笑いにまぶして語る 2人はなんだって話し笑い合うのに 2人は互いに誰よりも敬い合っているように見える 彼女と別れ1人になる夜に 彼はしんみりと物思いにふける 彼女という人はまぎれもなく この世界にしかと存在しているのだと あらためてその事実に打たれながら 彼女が遠くなってゆく この僕からどこまでも遠く 彼女は僕から独立して在るのだ、さながら 一個の美しい惑星のように なんという愛すべき遠さだろう 遠いということこそが 愛すべきことなのだとこのいま思える それだからこそ僕はあの 笑顔に吸い込まれながらその距離を 彼女へと翔けることができるんだから
彼女へと翔ける愛 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 622.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-12-06
コメント日時 2023-12-19
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
それぞれの自立。大人の恋愛ですね。感心したです。
1静謐な美しさを感じます。
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