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夜の十字架
開け放った窓からやって来るものは 鳥と呼ぶことにしている さよなら、さよなら、と鳴きながら帰ってくる 部屋にあった雑貨をかき集め 巣を作り卵をあたためている 何か孵るんですか、と私は尋ねる 歌うべき詩を知らない鳥たちのために 読み始めた聖書は 刺激的だ ポテトチップスを食べている時 私までがなぜか神の国の歌を思い出す それは繰り返される命の鼓動 みたいなもの 鳥たちが口を揃えて 私たちは、神様なんて信じませんよ、 とぴいぴい笑う あなたはどうぞそのまま祈っていて 存分に呪ってくれたまえ この世界をね この荒野にも、いつか花が咲くんですか、と私は尋ねる 翼がないことが幸せになるよ その時が来ればね でも今じゃないことは確かさ アーメン 何か孵すんでしょうね、 やっぱり翼の生えた子供たちを 私もまた それを鳥と呼んでお別れするんでしょうね だからというか 私はやっぱりここでずっと独りきりでしょうね 神の国まで行かれるんですか、と私は尋ねる 部屋いっぱいの羽毛 鳥たちは天国の歌を気に入って 冬に似合う小さな声で 天使みたいに囁きあっている 主よ、憐れみたまえ、独りぼっちで寂しがっているだけのこの人を! 閉め切った窓の向こうで夜が戸を叩いている
夜の十字架 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 838.0
お気に入り数: 3
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-12-04
コメント日時 2024-01-27
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
最後のキメの言葉があまり力を持たないのは何故だろうと思ったのですが、その一つ前のところが、どうしても愚痴にしか聞こえなくて、ちぐはぐさが生じてしまったせいなのかなと思います。 怒りと愚痴はやはり微妙に違うもののような気がします。 鳥の表現には惹かれるものがありました。 つらつらとえらそうなことを書きました。 あまり気になさらないで下さい。
0作者個人には慰めに聞こえますね。 愚痴についてもうちょっと意識してみます。普段からわりといつも愚痴っているのかもしれない。 鳥っていわれてるだけの、得体の知れない獣でしょうね。 受け取り方はそれぞれなので、感想いただけてありがたいです。
0翼の有るもの=自由意志を信ずるものの象徴、かな、と。 鳥の「私」と私の「私」。この人称の齟齬と同一が、迷路の様な味わいを醸していらっしゃる点が、疵であり魅力でもありましょう。 読者自身、反基督の基督好きと謂う嗜好を持っておりますので、斯う謂った試みは癪であり、愉しくもございます。 作中主体はアッシジの聖フランチェスコでしょうか、 他にもポテトチップス=馬鈴薯製の聖幣、や >主よ、憐れみたまえ、独りぼっちで寂しがっているだけのこの人を! の、「この人」=ニーチェからの引用(?)等、仕掛けが施されてあり、色々と思索を巡らしめさせて頂きました次第でございます。
0翼の有るもの=自由意志を信ずるものの象徴、かな、と。 鳥の「私」と私の「私」。この人称の齟齬と同一が、迷路の様な味わいを醸していらっしゃる点が、疵であり魅力でもありましょう。 読者自身、反基督の基督好きと謂う嗜好を持っておりますので、斯う謂った試みは癪であり、愉しくもございます。 作中主体はアッシジの聖フランチェスコでしょうか、 他にもポテトチップス=馬鈴薯製の聖幣、や >主よ、憐れみたまえ、独りぼっちで寂しがっているだけのこの人を! の、「この人」=ニーチェからの引用(?)等、仕掛けが施されてあり、色々と思索を巡らしめさせて頂きました次第でございます。
0復、二重投稿を失礼致しました。 マウスを含め、色々と買い替え時なのかも知れません(私語)。
0自由意志を信ずる、生まれた時から翼を持つことを許されている存在ですね。 渡りもすると思います。 ポテトチップスは確かに映画で観たホスティアそっくりで、ああ、だからか、ととても納得いたしました。 ニーチェは読もうとしましたが当時は何を言いたいのか全く分からなくて。今は今で暇がないです。 もしかしたら似たようなことを書きたいのかもしれませんね。 鷹枕可さんかな、と思ったらやっぱりそうだったので面白かったです。有難うございます。
0あ、すみません、今検索したら、ホスティアとは違うものなのかも、と気付きました。
0こんにちは。 ちょっと強引といったら言葉が悪いですけれど、性急な行と行の接合があって それと+アルファ、聖書の世界が展開されるので、一筋縄ではいかない作品なのですけれど それが非常にこの冬の朝に読んでていいような、爽やかでありつつ 味のある作品だと思いました・・・。味があるっていうのはちょっと言い方違うかな。 うーん。 個人的に、小学校のころ、誕生日に、自室の窓に小鳥がくちばしを小突きにきた ことがありました。あれはなんだったんだろう。失礼。自分語りでした。
0くちばし「で」、小突きにきた、の間違いでした。すいません。
0コメント有難うございます。 鳥はですね、私も固定電話の着信音で「仲間が捕まっている!」と勘違いしガラス戸に体当たりを繰り返す、という光景を見たことがありまして、更にその鳥を正気に返そうとガラス戸越しに一発お見舞いしたのが私と一緒にいた猫、という、山に住んでいるとそういうことが時々ありました、とにかく動物たちにも何か伝えたいことがたくさんあるんでしょうね。そう思います。
1・鳥を絡めた表現が面白いなと思いました。 ・いとうさんの「アイム、ドロシー」を思い出しました。 ・ただ、神様系は殺してなんぼな詩想なのでちょっと苦手ではあります。
0いとうさんの、「アイム、ドロシー」を読みたいです。 有難うございます。神様系を問わず私の投稿が苦手な方は大勢おられるだろうなと。
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