蛾の根をのみながらあるくあるくように
下の句で電気がわらってる
ゆるせないので
おおきなパワーを蓄積しようと
ビルをとぶ
ぜんぶが冷えてゆき
まわってくる
これは遊びなんかじゃないのだ
ざんねん
法則でないものが
法則であるような顔をして
駅になる
盤上には凍った左脳が捨てられていて
くるしい
水なんぞ
わからぬ位相でわらえ
水なんぞ
ぶちぬいてしまえ
ちまちませせこましくささってくる
暴力でないもの
を数えると
病原が映像する街に
回れ右
たましいは依然とぼしく
夜ぼーぼーに生えてくる
ざんねんだろう
飲みくだせる辞書がないというのは
これはちからだ
ゆるせるまで
胞をはなつこれはてきのちからだ
踊り場で銃創がわらってる
閉じないかな
閉じるかな
おお
閉じた
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 767.9
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 18
作成日時 2023-11-22
コメント日時 2023-12-10
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 0 |
前衛性 | 5 | 0 |
可読性 | 2 | 0 |
エンタメ | 2 | 0 |
技巧 | 2 | 0 |
音韻 | 2 | 0 |
構成 | 3 | 0 |
総合ポイント | 18 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 5 | 5 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 2 | 2 |
構成 | 3 | 3 |
総合 | 18 | 18 |
閲覧指数:767.9
2024/11/21 23時40分16秒現在
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おもしろいんだけど、言葉の意味として単純で、それでは理解ともセンスとも引きが足りないかな。これ以上書いてしまってはたしかに違うことになってしまうから、これはこれでしかないのだろうけど。詩を書いている、そのこと事態、と私はそう読み取れました。
0蛾の根という言葉でつまずいた。
0鮫は激しく歌で死んでいた、 鮫は激しく歌で死んでいた、 樹は激しく模倣、樹は激しく模倣、 死んでいた、
0最近、シュルレアリスムでおなじみの安部公房「壁」を読んだばかりの中、この詩が目に留まった。 この詩は、夢の中のように「あるくあるく」と浮遊感を含んだ歩行から始まる。「おおきなパワー」はビルを飛び越え、「法則でないものが/法則であるような顔を」する不条理な世界観がそこにある。その法則は「駅」という、世界の広がりをさらに予見させる存在になっていく。 「ざんねんだろう」と不条理そのものが我々に迫ってくる。単なる言葉遊びではなく、現実を超えて浮かび上がる記号をぶつけられる恐怖。それは、「飲みくだせる辞書がない」という無秩序や、理性を司る「左脳捨てられて」いることから伝わってくる。この「ちから」は、我々の従来の価値観を「ぶちぬいて」いく脅威だ。我々はそうして身体にできた「銃創」を、さらに開いて未知の世界に適応するよう変身するのではなく、厚く壁を「閉じ」ていく。人間のそういう精神性に対して、「壁を殺す」というタイトルに強い決意が現れている。 狂詩人さんの作品は初めて読みましたが、この決意がどう変わっていくのか、追っていきたいと思いました。
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