見上げれば天井が少しずつ近くなり、私の目の前まで迫っている様な
そんな感覚に陥ったのはつい最近のことで
それまで私は天井を見上げたこともなく
誰かと日が落ちるまで空の下にいた
家の隣に誰かが引越してきて、三人家族で小さい男の子がいるらしいけど
私はその家族を見たことがなく車の有無で家にいるかを判断している
よく目が浮腫むようになったのはほんと最近のことで
昼夜問わず二重の線がよく消える
夜に嫌なことを考えて心が病む人がいるらしいけれど私は昼に嫌なことを考えて寝てしまう
誰かに話して泣き喚く姿を想像するけれど私はそんな柄じゃないし
心が病んでるなんて簡単に言いたくない
夜は短いけど昼は長いし
その中間の朝はほんの一瞬でいなくなってしまって
日の出を見たことがない
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 1045.3
お気に入り数: 2
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2023-11-07
コメント日時 2023-11-18
#現代詩
#縦書き
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閲覧指数:1045.3
2024/11/21 19時47分36秒現在
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何となく不安定な感情を描いた作品のようですね。 冒頭で天井が近くなってきているような感覚を描き、そしてその次に隣に引越してきた家族の描写を、さらにそれから目が浮腫むことを配置したところは、なかなか斬新でいいと思います。 また、夜と昼の間の朝が「ほんの一瞬でいなくなってしまって」と表現されているところも巧みだと感じました。 尚、タイトルの「おはなし」とはどのような想いでつけたのでしょうか。 自分が自分から離れて、外側から自分を観ている、そんな感覚でしょうか?(違っていたら済みません) とても上手くかかれた、いい詩だと思います。
1ご感想ありがとうございます。 「おはなし」という題名にしたのは、この詩が実際起こっていることだと受け入れることができなくて、架空の話として作ろうと思い、「おはなし」としました。
0「おはなし」というと、それは、きっととおくのことを語っているのだろうか、と思って 読んでみると、今ここ、の、とても切実なことを訴えている。コントラスト。巧い、下手、で処理しちゃいけない内容だと思うんですけれど、巧いんですよね、僕の中で。
0心が病んだりする時が誰しもあることがわかると安心するのがわかる。人を見たら安心するのもわかる詩で、よかったです。
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