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まりちゃん
抱きしめてストーブに近づきすぎたせいで まりちゃんの頭にハゲができた キズモノ になった彼女を私は大切にした 溶けた髪をとかしてあげるのが好きだった ケンカ もナカナオリ も 付き合ってくれたのは彼女だけだった さよならしたのはそれから20年後 今でもまりちゃんはダンボールの中で燃えている 私の膝小僧や足の爪先から放たれるひんやりとした肌のにおいが 若さそのものだったと今なら分かる 手放してしまった黎明 ごめんなさい、まりちゃんはもういらない
まりちゃん ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 901.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-01-05
コメント日時 2018-01-29
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「肌のにおいが若さそのもの」という表現にはっとさせられました。年齢によって自分の肌のにおい、汗のにおい、変わってきたな、というのを思い出します。実は自分にも若い頃はそれこそ「膝小僧」のにおいを嗅ぐという変な癖がありました。最近やってなかったので久しぶりにやってみましたけど、もうその当時のにおいは思い出せません(笑)。
0誰かが何かを必要としなくなって(物理的もしくは心理的に)捨てる時、哀れなのは捨てられた方だと思ってしまいますが、実は捨てる側の方が悲しい存在なのではと思いました。 キズモノだろうがどうだろうが大切だったはずのモノが、いらなくなる。それを成長と呼べばポジティブですが、本当はとても大きな喪失なのかもしれません。 すみません、詩のテーマからはズレているかもしれませんが、雑感でした。
0ダラダラと書かずに短く書き切っているのに好感を持ちます。また、「私の膝小僧や足の爪先から放たれるひんやりとした肌のにおい」という表現は良いとも思います。一方、最終連は露骨な「まとめ」になっているのが気にかかりますし(好みの問題かもしれませんが私は「まとめ」が嫌いなので)、長さやモティーフを変えずにもっと練る余地のある作品だとも思いました。
0まりちゃん、おもちゃのような、玩具、自分の自由になる物。物に魂が宿るような、そこに贖罪の気持ち。「キズモノ」、物を粗末に扱えば、その報いを受ける見たいな話しはあまり意味がないかもしれませんが、詩と言うのは案外そんな粗略に扱われやすい主題を扱うものなのかもしれないと、この詩を読んで思いました。
0「キズモノ」という表現に、立ち止まってしまいました。 これ、結構「まりちゃん」に対して暴力性のある表現だと思います。 その一方で、遊び相手としての思い出と、手放してしまった謝罪の念から、まりちゃんの人格を愛おしむ感情も伝わってきます。 その歪さがリアルで、このモチーフを詩にする必然性を感じます。 幼少期に「健やかなお人形遊び」が叶わなかった類の人間には、胸に刺さるものがありました。
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