君がマイナンバーカードを必要としたのと同じくらいに僕は
テレフォンカードを持たない君を必要とした
向日葵が刈られたばかりの空にハルジオンが広がって傍聴席は悲観的観測で埋め尽くされた
都会によくありがちな背高のっぽな建物はその名も「ビルディーング」
特にそうしろとは誰も言ってないのに何を憐れんでも甘い吐息に変えてくれる
生贄になった人のことを考えてたら泣けて来たのでせっかくなので
回収に出すスチール缶をまとめながら、あの日死んだ妹のことを思い出してみる
妹なんていなかったんだけど
君だけのために僕は不治の病にならなくてはいけない
だけど人のものはなるべく壊したくないし弱い生き物もなるべく虐めたくない
かといって神様のコスプレもしたくない
キャベツの芯も美味しいよと言ったカリスマシェフの裏技を覚えて長い耳と長い名前の犬を飼う
クリームチーズの産地にも観光旅行して星の形のお城では記念写真も撮る
全部君のためだから
とってもお利口な
君のためだから
クレープ屋の勢力地図が変わって君を守れなかったら僕も地図から抹消される
そもそも熱い議論が嫌い、目の覚める生き方なんて存在しないから
ちょっといいことがあった日はデラックスなビルをくれたっていいと思う
そして屋上にはゲームセンターとお子様ランチのあるレストラン
幸せかい?といちいち聞いてくる地球の言うことはこれ以上聞かなくていい
すべり台で昼寝をする人がいてもいいし絶滅する動物がいたっていい
鼻歌の好きな人は決まって痩せっぽちだと今さっき出たばかりの分析結果が上出来で
ラランラランラララララってお祝いしてくれよ、てかしてください
三連休でさえも必死に雨の降るそんな天気を祝福しながら
今日も誰かの誕生日で誰かの旅立ちの日でもあるから
デラックスなビルを僕から君にプレゼントしよう
家族連れの渋滞が目障りな立体駐車場もオマケに付けよう
死ぬのはいろいろアレだから死なないことを買いに行く
生きることには傘がないからお洒落な不幸を手に入れる
しわわせの方がいいならその手をたたこう
日本列島がそうしたいなら僕たちもそれに付き合うべきで
一切合切歌にしよう
言えば良かった「好きだよ」が嫌いだ
Kとこっそり付き合ってたTも嫌いだ
今でもしわわせならGでたたこう
なりたくてしょうがないのがしわわせなら胎動で示そうよ
ほらみんなでTをたたこう
死んだ義父の髭を誰かがこっそり伸ばした夜に
作品データ
コメント数 : 8
P V 数 : 1101.1
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2023-10-13
コメント日時 2023-10-18
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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2024/11/21 22時49分44秒現在
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こんばんは。 さいしょから強引に持っていかれて、速度は緩まず加速をつづけ それは新世界に突入するかと思いきや、急減速、あっ!となった形です。 T⇒田中 です。 叩かないで下さい。素晴らしい。
0なんとなくですね、そっち側に行かないように行かないようにとですね、気を付けてたんですよ。最終的に自分のカラーに戻さないと、と思って。いろんなの書きますねって言われるのはそろそろ辛くなってきたので、らしいですねってたまには言われたい。もういい加減おじいちゃんですから。
1夜分、遅くに というには もう朝に近い時間ですね。 夜勤が終わり、家に帰り、なんとなく酒をかたわらに、スマホをいじり、「あっ、妻咲さん、詩を投稿しているな」と思い、なんとなく読みました。 各方面に失礼かなあと思うような事が頭をよぎり、心にとめおきたい気持ちはあるのですが、気になるのでお聞きします。 こういった作品はまた別の詩誌や賞レース的なものに出してみようかなあなどというのは考えたりしないのでしょうか? 一行一行のフレーズの小気味良さ いいように振り回されていく言い回しの緩急 そしてその、なんだかんだで得心するしかないような着地。 僕にはこの作品は好みもあるとは思いますが、見事というのではないだろうかなどと思いました。 若輩者が申し訳ありません。 もしくは僕の技術、感覚がまだまだ甘いのだという事もあるのだと思います。 しかし、こういった「見事」(もしくは、あっぱれ)をここに投稿している。という事に驚きを隠せないのです。 生意気な事をだらだらと書き、すいません。 ただただ僕は釈迦の手の上で、自由自在に宇宙すら飛び回っているとほくそ笑んでいる孫悟空ではなく、猿山でエサを独占しようと必死になっている猿ではないか。と、そう感じました。 ただ、本当に長々と文章を書いてしまい、申し訳ございません。 大変、失礼しました。 と、
0ありがとうございます。いやー困った、なかなか難しいものがありまして、賞レースも5篇くらい送っていいよ、というのでしたらそのうち1篇くらいはこういうのを入れてもいいかなと思うのですが、今回ちょっと尻尾振っちゃったかな、というか賞レースに出すにはもうちょっと襟を正さないと、という、でもたぶんなかなか私が拾われないのもそれが原因というか、かしこまっちゃうのが良くないんでしょうね。でも選者をいかに怒らせるか、ということは常々意識するようにはしておるのですよ。まずそれより鯖詰さんはとても私より若輩者には見えません。実に堂々としてらっしゃいます。らっせーら。
0ハルジオン、というかセイタカアワダチソウの詩の様に感じました イロニーをその底辺として、それを装飾している書き方をする方が存外ビーレビには多くて、妻咲さんとの社会受容の世代格差を考えながら読むのが本当に楽しいのです イロニーが詩情を生み出すランボーみたいなあり方で、これからもビーレビを席巻していって欲しいと思いました。 (酔うております。ご寛恕を)
0ありがとうございます。私に場をかき回す力というのは全く無いと思ってるんですが、私は常日頃から今の自分の世代だからこそ書けるものはないかと思っていて、若い人は若い人向けに書けばいい、もうストレートに言ってしまうとおじいちゃんおばあちゃんのためのポエムしか書きたくないんです。なんていうか、本そのものではなくブックエンドを作りたい、みたいなそんな感覚です。何かしでかそうという作品よりか、いつからかそこに存在してしまっている変な形の石、みたいな。 そういった意味においては私は現代に響く詩ではなく、現代を除いたその前後に響くものが書けたら、と思ってるんです。こういった姿勢も大義ではイロニーなのかもしれません。
1恐竜は絶滅するべきだったと思います。
0私もそう思います。何故絶滅しなかったのかがわかりません。かわりに人類が絶滅してしまった。尻尾をいくら隠しても私たちは人間にはなれないのに。
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