耳そうじをしていると
少しづつ
少しづつ
耳の奥にこびりついた
あなたの声のかたまりが取れていく
そんな気がする
いっぺんに取ろうと耳かきを
あんまり奥に入れちゃいけない
優しくて、柔らくて、どこか幼い
十五のあなたのその声に
傷がついてしまうから
もちろん耳も痛むけど
それ以上に心が痛むから
あなたの口癖が
僕の名前を呼ぶ声が
こびりついてなかなか取れない
二十のあなたは大人になったその声で
僕の知らないどこか遠くで
知らない誰かの名前を呼んでいる
風呂あがり
缶ビール片手に
焼きかまぼこを咥えて
耳そうじをしながら
三鷹駅から徒歩十分
六畳一間で考える
そんな金曜日の夜もなかなかいいもんだよ
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 674.2
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-10-05
コメント日時 2023-11-22
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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2024/12/04 02時14分20秒現在
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同級生の友達?恋人?があなたの像として浮かびあがってきた 二十歳になってビールが合法的に飲めるようになったという若々しい感慨を感じます 青春ポエム アーリートゥエンティって感じ フレッシュである
0>あんまり奥に入れちゃいけない この気づきは十五の時の話者には気付き得なかった事なんだろうな、と思うと同時に、それに気付くくらい大人になった(痛みを知った)事を表していて寂しい優しさを感じました >焼きかまぼこ が絶妙な日常感(やわらかさ、香ばしさ)を表していて身体感覚にまで響いてきそうですね。 穿った読み方をすれば、話者は東北の出身で、故郷に残ったかつての想い人を思い出しているようにも思います。 素敵な作品だと思いました
0こんにちは。 さいきん絵について考えるのですけれど、それは客観的に自分の詩を精査するに 客観的にならざるをえなくて、そうして絵をみる、絵について考えるとする。 そうして 風呂あがり 缶ビール片手に 焼きかまぼこを咥えて 耳そうじをしながら 三鷹駅から徒歩十分 六畳一間で考える そんな金曜日の夜もなかなかいいもんだよ と。 なかなか絵になるな、と思ったのですね。 三鷹駅、がポイントで、ある種、東京という脈々とある文化、カルチャーに庇護されつつ 金曜日の夜、なので、多分、ふだんは働きに出ているんでしょう。 そうすると、働きに出ている時間と、文化的に満たされている時間から違って その、文化的に満たされている時間、その幸福を愛おしむ気持ちが 詩全体から伝わってきて。 僕も一時期、東京にいたのですけれど、そういったバックホーンを元に 詩を書ける幸福。それは憎いくらい羨ましいと思いました。 一票。
0缶ビールが美味しく飲める年齢になってしまったのが、すこし寂しくはあります。
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