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学生A 「はじめに物語があって 戯曲は穴埋め式 八百長かもしれない 街頭インタビューを見ながら 僕は途方もなく長い 脚本を遂行していた 脚本家は大勢いる それはたとえば神だとか 宇宙だとか秩序だとかいう名前で しかし脚本はたった一つ 始まりと終わりしか決まっていない 僕は数多の劇中劇をつくる この不可侵の悲喜劇の中で なるべく寓意的な 含蓄のある噺をしたい けれど僕はさびしい役者だから 次の劇中劇からバックレたい どうせ掌上なら孫悟空になりたい そうしたら脚本家が 僕を降板させるかもしれないけど」
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作品データ
P V 数 : 1189.6
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-09-05
コメント日時 2023-09-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
客観的に書かれていますが詩はもっとガンガン主観的に生きている感じでやってみると良いような気がします。孫悟空の冒険で。元気でね。
1一度「学生A」の口を通すことで文章にある種の客観視が生まれ、絶妙な冷静さでテーマを表現しているように思いました。言葉にリズムがあってリーダビリティが高いのも好きです。
1世界観とか人生観とか、すごく端的にしっかり語られていて、思わず目を見張りました。バックレるということは、いったいどういうことになるんだろう。脚本というものによって、人生や世界を見ることが、とても意義深い見方だなと思います。とても面白かったです。一方で、やはり主観を持とうとする孫悟空が、語られていて、どうしたものなんだろうかと。劇にノろうとする意識は、やはり大切だと思いました。
1相手が愛してくれているからこそリアクションを期待して歯向かってしまう反抗期の若者と、最後には皆死ぬと分かっているから精一杯生きようとするということって似ていると思ったんですよね。孫悟空のくだりはそれで書いた箇所です。
1こんにちは。 神様(?)が書いた脚本は、全てが明らかにはされていなくて穴だらけ。だから、そんな神様の手のひらの上で右往左往しながら穴を埋めるため、劇中劇を書いている。そんなふうに受け取りました。 「八百長かもしれない」 「なるべく寓意的な 含蓄のある噺をしたい」 これらのところから、不透明な世界で自分の生きる意味を探している様子が窺えます。 そして、最終連の孫悟空。 岩山に閉じ込められてしまった話から、たいした意味を見いだせないなら引きこもってしまいたい、そんなふうにも読み取れます。 全体が学生の独り語りの形をとっているのは、作者が今の若者にこのようなイメージを持っているからでしょうか。 「けれど僕はさびしい役者だから」 の1行に、どこか意味深長な感じがします。
1学生に語らせたのはシンプルに私が学生だからですね。 孫悟空の話はむしろ逆で、岩山に閉じ込められる前の話をしています。人生が誰か(たとえばお釈迦さま)の掌の上で、そこから逃げ出せないのだと分かったなら、むしろ反抗する相手が見つかって張り合いが出るというような。
0人生と、劇がダブリングを起こしている? とすれば、なるほど、確かに掌上なのだけれど、人は孫悟空の役になれるが 人生に於いてはなれないし しかも降板、となればそれは何か高い地点から落ちる。死がよぎって怖い詩でした。
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