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ひと
婉曲するひとが 窓のなかで生活している 光が硝子に反射して 赤く見えたり 青く見えたり けれども 安定はいつも白色だと 先生は言う 真っ暗な部屋の 静止するカーテンの隙間 閉じた窓から光がもれ入る 向かいの部屋は 二十五時を過ぎても明るくて いつまでたっても 今日は終わらないでいる ぴかぴか 光は等速に 時間をこえられない私を置いて 何をそんなに急ぐのか 真白な尾を引き 宇宙の果てへと流れていく 婉曲するひとがこちらを向く その 黒い目に私は存在しないで 窓際に並べられた 観葉植物の緑色ばかりが映っている きっと 音は終末を迎えるときにも 私の隣にいるけれど 光は一緒にはいてくれない だから 破滅はいつだって 純粋なまでに黒色をしている
ひと ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 895.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-12-31
コメント日時 2018-01-01
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
投稿有難う御座います。 とても良い感じの作品だと一読して思いました。ただ、これは私の個人的な感受でしかないのですが、結語の 破滅はいつだって 純粋なまでに黒色をしている が、 破滅はいつだって 黒色をしている と削られたほうが、とても黒色が印象として残るような気がしました。「純粋なまで」という想像は読者へ委ねるような。
0こんにちは。 婉曲な人、というのは死者のイメージかな。同時に話者自身を指しているようにも思えます。 先生というのは主治医でしょうか。灯りの絶えない向かいの部屋はナースセンターで、一日の 終わりが延々と先延ばしされ、その裡に今夜も新たな死が生まれる。そのように考えると色々 腑に落ちました。 「光」がもつ物理法則に話者が語るべきことを担わせようとする時、自然に宇宙的なイメージ、あるいは 人の住む街の構成要素となる建物→部屋の灯り、等々が浮かんでくる。この辺り、壮大さと卑近さの対比 により、話者の視点をズームイン・アウトさせて、最終連に至る道筋を不明瞭なものにしようとしている ように感じます。 光→光速、宇宙の果て、電灯→人の営み(宇宙と真反対・地を這うような日々の生活) 赤く見えたり→遠ざかるもの・赤方偏移 青く見えたり→近づくもの・青方偏移 黒→無明状態・話者の内心を仮託されている? それぞれについて、話者が象徴することを期待するものがあるのは察せられますが、それが割合、 読者が考えるイメージと近接しているのかも?加えて詩句が研がれていないので、「破滅はいつ だって/純粋なまでに黒色をしている」という一文が陳腐に見えてしまう。そのような悪循環が 作品の価値を減じているように思えます。
0三浦さん コメントありがとうございます。 最後の7文ほどは削るかどうか迷っていたので、やはり中途半端な感じが出てしまったのだなあと指摘されて改めて感じました。 よりよい結びの句について、もう少し考えてみたいです。
0miyastorageさん コメントありがとうございます。 自分が見ていた景色と違う解釈で、勉強になるところがたくさんありました。やはり、ネットにあげる一番の楽しさは全く違う考えをもった不特定多数の知らない人に先入観とかなく詩を読んでもらえることですね。 色については、素粒子がもつ色荷というのから着想を得ていて、白色が安定としたのは、内在する色荷をあわせて白色になるときが素粒子的な安定だからと講義で聞いたからです。(自分も専門的に深く勉強したわけではないので詳しくは知らないのですが……) また、時間の概念についても最近よく考えることがあって、光速に限りなく近づくと時間のずれがおきるのですが、現状光速に近い速度に到達できないので我々にとってやはり時間は等価なんだなと思うと感慨深いです。 先に挙げた返信でも書きましたが、とくに最後の方の文章は自分の中でも微妙な感じだったので、もう少し練り直してみたいと思いました。また、詩句が研がれていないという指摘も、今までにこの場所でも似たようなことを何度もされてきているので、精度の高い推敲などを行ってなおせるように頑張っていきたいです。
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