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チョコレート
チョコレートを噛んでコーヒーの本を読んでいると段々死んでいくのがわかるとにかく落としているんだなタバコの灰と煙とパンクロックな洋服をまとい生きているというかそのありかを探してもいいよって歌を歌う最中に合言葉の格好を待ってくだらないと思ったりそのままきっと風景だったりするけれど間違ってる誕生日は明日に成長する汗を流してどこへ行っても楽しくない足を勉強机に並べ星が諦めている欲望を一杯にしゃれた靴をはいてキャッチボールのメモを食べ水の匂いに価値を探して十日ばかりたってジャックがやってくるまで私はバスタブに背を向けていなければならなかったから指先からかなしい気持ちが欲しくてどうぞそっとしておいてくれよとジャックには言った。だからジャックは庭を滅茶苦茶にして十四本の花をかっさらって郵便受けまで輝いた硬貨で傷つけていってくれたのが私はかったるくていらいらもして身体を透かせながらジャックを見送っているときで昨日食べたチョコレートで膝のところが見えなくなるように汚れそれを守るように連続的なたとえば日曜日の次が土曜日だったりするだけで息をとめて死にたくなる指を変な壁に歩かせて音と音がぶつかりあう混ざりあう瞬間にだけ目の前が暗闇に生き返って弱虫だったから間違って吸い寄せられる朝を夜を行ったりきたりした続きを咎めないでおくときっとだらしのないあり方で私を終わらせてくれようとするはずでそれって存在を怖がらずに跳ね返すことしか頭にないってことを逆にしてあるんだなと屋根の上に寝そべって骨の数を数えてけろりとした空の部分をひらいて一日中風邪をひいても呪いの絵が書けたりするばかりでまったくそのように私とジャックは姉弟みたいだった。顔は全然似てないけれど目と口と鼻は入れ替えることができるのでそうしていただから何人もが私たちの半分に騙されていてお詫びにタバコを恵んでくれていつまでも小さな想像を繋ぎとめるのには困らなくなるくらい吸いこんだタバコの煙が身体中を駆け回っていた頃にメジャーリーグで一日に消費されるガム(私は飲みこむ)について簡単な試算を行ったらあとちょっとのところで答えは出ずに庭の花壇を見つめながらどこも見ずに散らかった花も出しっぱなしの水も切れたホースも似ていて同じようなものだと思ったら結局ガムは飲みこまなかったな。つまりひどい車酔いで気持ちがばらばらになったりむしろ急にくっついたりする瞬間があって光の波長を当てる遊びに行ったっきりの妖精の幼さを連れ戻すために空気中を一日中探しまわったりする仕事のことを今ちょうど思い出していたんだよ。はっきりいって何百年前って本当にあったのか人間の歴史がずっと続いて私たちが生まれて親しみみたいなものがあるでしょでもそれってつまるところ教育じゃないかって思うんだよこれをしてもいいこれをしてはいけないという自分の中の基準があるけれど私はこっそり吸ったタバコを家の灰皿には捨てないでおいて分解して庭にまくときには想像性のスピードに達しているのでためらいを残す前に足の震えを蝶々結びにしてとばしてそれから小さな本を読んだり生まれそこないについて考えたりしながら化粧をしてゲロを吐いて顔を洗った。最近はよくゲロが出るので洗面所はそれ専用みたいになっているというのも私は便器ってやつが大嫌いでそんなところに顔を突っこむくらいなら歯を磨かなくてもいいやというくらい平気な風だった。だって歯磨きじゃ歯の並びは変えられないからね。あの小さなブラシで歯を擦っていると第一気が変になりそうだった。ちまちまと大好きなソーダのアイスをなめ赤い舌を青く透きとおしたジャックがゆっくりと砂を嚙みちぎるように風景が途切れながらもそのときの私はカメラを見ない被写体だったという目をしていてエンピツの芯の丸みにあこがれたり髪の毛の隙間から世界を丸飲みにしていたときどき死んだ人の最期の記憶が夢の中に入ってきてそして出ていったあとに遊園地に行きたくなる夢を見た朝には世界が逆さまにあったので私は驚いて唾を吐きそれでジャックにあなたの世界も逆さまになったのと聞いたけれどジャックは笑って矯正器具をさわるばかりでそのときの彼はいうなれば部屋にある臍のようで無意味だった。同じ人間に偉いも偉くないもないのだから私はジャックの頬を思いきりぶちたい気分になっていたけれど疲れきった顔で揺りかごの中に眠っている。それで私は一回笑ったジャックの世界を溶かして。
チョコレート ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1195.6
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-08-26
コメント日時 2023-08-27
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
1.5Aさん、こんにちは。 1.5Aさんのコメントに鋭いコメントに瞠目しつつ、どういう作品を書く方なのだろう? と思っていたのですね。イメージとして、又吉直樹さんかなぁとか勝手想像しつつ 作品として読んだ今、アメリカのビート派なのですね。 そう大雑把にしか語れない、という点、そのフックになる箇所が多すぎて 逐一、言及していけば、きりがないといえて、その記述のされ方についてコメントするしかない。 全然的外れならば、それでいいのですけれど、ジャック・ケルアックなのですね その、グングン、パソコンキーボードを、タイプライターにヴァーチャル化して 記述してゆく、ひたすら書いてゆく。 その、非常に、わかるなぁ、といいますか、同じようなことを、僕自身してたことがあって。 そうして、それもある一定の枠組みの中で、フォーマットの上で 終わりが来たらば、さっとやめる。 それは、ジャック・ケルアックのように、もっと書いてもいいですけれど それは非常に日本人的な処理の仕方がなされている。 それに、ジャック・ケルアックするに、きりがないといえるし 作品の整合性を図る意味で、ここで抑えておこうという要請がありますでしょうし。 その、要請がどこから来るのか、日本人的なのか、美学なのか、これも考えられる。 そうして、和、というものを考えたときに、ビート派の中でも短さの方へ 行っているのですね。 シンプルを追求して、禅、から俳句、haiku、とか。 確か、ポスト・ビート派の リチャード・ブローティガンなどは顕著でして、日本にも来てますよね。 僕は今そういう方面に行きましたけれど、一方でこういう作品を読むと圧倒されますし 嬉しくなってしまう。 その拙作で申し訳ないですけれど、「Ice cream」という作品を書きましたけれど そこで僕が記述したのは、チョコレートのアイスクリームなのですね。 ですから、本当に手前勝手なことを書いてきましたけれど 1.5Aさんと私の中で、パンクロックとかですね、何かキーワードを介して パーソナリティが、ダブるっていうんでしょうか、ハモッている。 正直、この作品では1.5Aさんのパーソナリティまでは迫れなかったのですけれど 何か、同時代、同じ気質で物を書いている方がいるのかな、とね 孤独な僕からしたら嬉しいのですよ。 何かファン・メッセージになってしまったのでこの辺で。 ありがとうございました。
0今晩は、田中さん。 読み応えのあるコメントを頂きありがとうございます。 又吉直樹さん、ジャック・ケルアック、リチャード・ブローティガン、それぞれ作家の方かなとしか分からなかったので調べてみました。どのような文体で物語を紡がれた方々なのか、までは詳しく探せませんでしたが、恰好いい顔写真が出てきたので満足しています。というのは(僕は)海外文学が読めなくて、主人公が佐藤とか日本人の方の名前であれば大丈夫ですが、マイクとか外国の方の名前になるになると感情移入が上手くできず、話が頭に入ってこなくなってしまいます。でも書く方は大丈夫なんですけどね、不思議です。 「チョコレート」という響きには外国、特にアメリカを感じてしまいます。恐らくマッカーサーとか、ギブミーチョコレートの話が頭の片隅で(僕は)いつまでも転がっている年代なのだと思います。「Ice cream」から感じられる「強者への反抗」、それは一人で立ち向かっていく心細さを真綿で隠し通す行為でもあって、それは「チョコレート」に込めた思いに似ていると僕も思います。僕が拙い詩を書いている理由は、大体その思いからだったりします。
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