若くてきれいじゃなきゃもう欲情しないよ
いい歳になれば腰を振るのがめんどくさい
そんな味気ない、詩とは無縁の日常の男の言葉に私は涙した
でもそれが真実ならばどう生きればいいだろう
私のもう美しくはない美貌で喜びや感動を捨てたくなければ
不滅の恋よ
私は腐ったみたいにロマンティストだから
そのまま死にたいのだ
愛されたい
あなたのことに関心がある
そう言われたい
あなたの心を捕らえたい
そう言われたい
あなたの唇に見惚れてしまう、とか
あなたの右目が好きで、その眼差しに倒れてしまいそうだ、とか
あなたはきゃしゃな植物で私はそれを育てるのに腐心する、とか
心を愛したからあなたの指を口に含みたい、とか
身体を押し倒すのではなく
心を重ねる為なら言葉を尽くす、とか
それは秋の木の葉の散る様や
春風の囁きや
夏の入道雲にも負けない生きる意欲なのだ、とか
それが私とあなたなのだ、とか
草原で裸足で寝そべっていて
おにぎりを美しく思って
お茶の味にしんみりして
私の揚げた唐揚げの凡庸と美味しさに満足して
二人でいることの価値をみしり、と味わって
ああ、あの流れる雲と私達で、もう十分だね、
そんな風に人生を満足してみたい
かなしいな
哀しみしか人生の美貌を託せないならこの世はうんざりだ
歌って忘れましょう
この人生の喜びを味わい、
哀しみは放り投げて
南国気質のだらしない、記録されない怠惰よ
そこに流れる人生の愛は
溶けていくアイスクリームが食べられる宿命を期待しているように
私は人生に期待する
私だっていいでしょ
私って劣っていますか
闘わなければいけませんか
勝たなければいけませんか
なぜですか
ほんとうですか
あなたって本当に正しいの
生ごみを捨てなかったせいで羽虫が飛ぶ夏の家の食卓に
羽虫よ
おまえは私かもしれないね
おまえの持つ尊厳と憐憫
それはライオンやIT長者と違うのだろうか
私はそんなに変わらないと思っているよ
そんなロックンロールを唇に残して
歳を取ろう
全ては何事も無し
愛を問えば人生は羽を持つだろう
宇宙の無尽蔵に小さな愛の羽よ
つがいのように喝采を仲間してみたい
せめてそんなことを思いつつ安らかに在れ
微笑よ
作品データ
コメント数 : 25
P V 数 : 2204.8
お気に入り数: 1
投票数 : 8
ポイント数 : 15
作成日時 2023-08-11
コメント日時 2023-09-08
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 5 | 5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 5 | 5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 5 | 5 |
総合ポイント | 15 | 15 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 5 | 5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 5 | 5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 5 | 5 |
総合 | 15 | 15 |
閲覧指数:2204.8
2024/11/21 22時57分54秒現在
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>私って劣っていますか >闘わなければいけませんか >勝たなければいけませんか ここは博愛だと思いました。 恋の本音は、エロティシズムにあると思うのですが、その途中で愛に出会う。自分が育ててきた愛、親や知人に育ててもらってきた愛に、エロティシズムは負ける。この世に愛も自由も平和もないのは、男のにょきにょきの所為です。暴力性、金、色欲。それらに負けないためには、にょきにょきを女陰の星雲の中に現さなければなりません。女性の神も必要です。羽を生やした女性が必要です。湖湖さんは、小さなものから大きなものまで、しっかりと考えておられますね。
0博愛と感じて頂けて嬉しいです。なるべくできることなら幅広く博愛者でありたいと思います。くじけても理想の看板は正しい、と信じるようにまたそこに戻ればいい、と個人的には思っています。女神、ミューズ、という名前の石鹸がありましたね。石鹸のようにあれればいいのですが。愛が勝つ、というお言葉、頼もしい限りです。愛と理解のある感想をありがとうございます。
0女性とは、どこまでも貪欲な生き物だなと思いました。
0こんにちは。 とても哀しい詩ですね。 愛という抽象概念とは如何なるものか私には答えられませんが、愛と恋とは異なると思います。 この詩を一読したところ、その2つを混同されているのではないかと思われるところもありました。 無論、愛と恋とは全く2つに分けられるものではありませんが、個人的には恋とは愛の入口、あるいはきっかけに過ぎないように思います。まあ、入口がなければ中に入れないじゃないかと言われればそれまでなのですが。でも、また別の愛へのアプローチの仕方もあるような気がします。 ところで、中盤の「哀しみしか人生の美貌を託せないなら」とはどういう意味なのでしょう。哀しみに託す人生の美貌とは如何なるものか、それが何かは朦朧としか見えないのですが、そこに何か答えに繋がるヒントが隠されているように感じました。 末尾の「微笑よ」が、幽かな希望への扉あるいは窓の存在をほのめかしている、そんな印象を受けました。
0戦わない闘いをしているものは美しい。 勝てない勝負をしているものは、いつでも美しい。 >愛を問えば人生は羽を持つだろう その様な姿がこの一行に凝縮をされていらっしゃると、感受を致しました。
0こんにちは。 「愛って抽象概念だけどあなたのなかにそれはあるの?」 タイトルに内容が負けてないのがいいと思いますか、何か読んでいて元気が出てきまして 後半のブリッジなんか、なんか僕に対して書かれたんじゃないか?むむっ!とか思ったんですけれど、その、好意は要は、脳の特定の部位の反応だ、云い、言うじゃないですか。それも正しいかも知れない。正しいんですけれど多分。僕は意地でも、ちげぇーよ、恋は魔法だし、愛は核エネルギーの運動とも何かなんだよって主張したくなりました。熱くなってしまい、すいませんです。
0女性は貪欲、男の貪欲と女の貪欲、欲は悪いものではないけれど、自分が強くないと傷つきます。足るを知る、とは嫌な言葉だ、と思ったこともありますが、むさぼる勿れ、ほどほど、の中庸が人生の知恵なのかな、やはり。耽溺したい欲もあります。ありがとうございます。
0そうですね、重たい女なのか、いたずらな恋より全身で愛を問われるような二重奏が体に木霊していて、取り違えているのか、深情けなゆえか、恋と愛をあまりわけて考えられないのです。悲しみに託す、というのは人生の欲で内面的外面的に闘い、歯をむき出しにしてガツガツ生きることの争いに身を投入する心の煩瑣やストレスを半ばあきらめることで流水のようにたおやかにいられる、無一物に近い軽い、楽な心の生き方に身をゆだねることもあるからです。どうもありがとうございました。
0愛はあなたの心の中、喜納昌吉の歌が浮かびますが、愛は人の中で発光して、一振りの刀に変わる、というか、行動に変貌すると思います。ありがとうございます。
0戦わない闘い、そうですね。人生という際限の中でへっぽこながら。愛という太陽の周りにいればいいのでしょう。そこにつきます。ありがとうございます。
1こちらこそ、あなたの心が元気になる詩を書けたなんて嬉しい限りです。恋は魔法だし愛は核エネルギーだ、っていいですね。座り慣れた椅子のようにそうありたいです。ありがとうございます。
1リアリティある語句というのはなぜだか、「本当に」作者さんの中に在るものとして直観的にわかるのってなぜでしょうね。いや、そういうふうに「これ本当のことだよね」って読者を騙せるってのは作者の技巧が上手いとも言えるわけですが笑。湖湖さんの作風ってそこが肝に思え、今作はそういった「あたしが持ってる劣等感とか焦りとかちょっとだけみせてあげるからね」.的なのがあるわけじゃないですか。いや、下品な読み方かもしれません。でも作中話者(この言葉は便利やな)はセクシーだ。
0えへ。感情的にお酒に乗って書きました。( ´艸`)リアルでセクシー、なんて恐縮です。ありがとう。
0ただ、スペアリブを食べた後に指を舐めるのってのは恋だと思う。愛は和食で、恋は洋食、中華は支配欲。
0中華は支配欲、なるほど、采配する感じがそうかもしれないですね。スペアリブは啜る感じがエロティックで。納得しました。ありがとうございます。
0現実に直面してめげずにある、というのが大人っぽい、ということなら、ほめられたのかなぁ。ありがとうございます。
0お酒に酔って気分を吐露してみたのがこうなったので、全く捻って考えて書いてないんですよ。うまいと言っていただいて恐縮です。朗読ですか、将来そんな日が来るのでしょうか。ありがとう。
0こんばんは。 女性的な感情に流されつつも、リズミカルで詩的な表現も沢山使われている素敵な詩だと思いました。 歳を取ると女性として見られなくなること、正直あります。まあ、私は元々着ぐるみのキャラクターみたいな見た目なのでそんな風には見られませんが。その切なさや焦燥感を描いている良質な作品だと思いました。 羽虫を私かもしれないという箇所、小さな命を眺めて尊厳と憐憫を感じる。そんな気づきにもハッとさせられました。
0素敵な感想を下さり感謝します。リズミカルで詩的だったかしら。嬉しいです。女として歳を重ねる事がネガティブにならないような文化に変わるといいなぁ、日本は子供礼賛的文化でヨーロッパは大人文化だとか。見習いたいですね。
2カッコつけてないのがカッコイイです。 確かに愛されたいけれど、 あなたのことに関心がある そう言われたい あなたの心を捕らえたい そう言われたい あなたの唇に見惚れてしまう、とか あなたの右目が好きで、その眼差しに倒れてしまいそうだ、とか あなたはきゃしゃな植物で私はそれを育てるのに腐心する、とか 心を愛したからあなたの指を口に含みたい、とか 身体を押し倒すのではなく 心を重ねる為なら言葉を尽くす、とか それは秋の木の葉の散る様や 春風の囁きや 夏の入道雲にも負けない生きる意欲なのだ、とか それが私とあなたなのだ、とか (単細胞はこの連が気持ち良く感じました) みたいなことに縛られなくても愛で満たされるステージに上がったとしても、「腐ったみたいにロマンティスト」を一生持ち続けるんでしょうね。 後半の連は歳を重ねられたからこその表現かと思いました。
0ワタシも単細胞なんです!w 正直になるのも恥ずかしくて詩じゃないと書けないことも。素直になるのって大人かもです。感想有り難うございます。
1不滅の恋とはベートーベンみたいですが、この詩ではもうちょっとバーナルな日常的な恋が強調されているのかもしれません。生老病死など。避けられないことに対して抗ってみるみたいな感じなのかもしれません。溶けて行くアイスクリームは何の象徴なのだろうかと考えながらこの詩を読みました。
0恋に対する憧れが強いまま年を取った気がします。それは理想主義で、空想ゆえに太刀打ちする現実は無いのかもしれません。誇大妄想かなぁ、( ´艸`)溶けていくアイスクリームはどんどん魅力的に消耗して減っていく人生であるのかもしれなく、それも理想的な喩えかもしれません。
0なんてお色気溢れる詩だ……!投票します。
0お色気もいいでしょう?。( ´艸`)投票、ありがとうございます。
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