ニル・アドミラリ
地表ばかりを這いずりまわり、僕らは進んでいけるように
終いの仕舞いまで、容赦ない時の歯車に至れり尽くせりでも
歯牙にもかからず、運がいいのか悪いのか
無駄に息が間延びする
どうせそのうち吹きだまりの門の、汚ねえ埃と至るでしょうが
紡いだ過度の誇りとあいまみえては、誰かが機織る、
雲壱裏面やもしれぬ
孕むばかりを期待する 旗折り 波乱に富んだ生き様などは
なにがしあわせなのでしょう
輪廻転生 四季折々の
金波銀波を映し出す 鏡面反射でありますが
ちゃちな姿見御座いませ、
その風采はそれぞれに、違って映し出すものです
泣いて笑って抱いては温め
催された海図に置かれた暗夜の灯とも
凍てつくばかりの北風の 突き刺すような風評も
嘗ても星々が嫉妬する
その日限りの光 刺し占めす その陽の影は どの者にも
容易く 天変を施し熾す
少しばかり浮いた存在、風の行くまま気の向くままに
回廊を滑るように舐め尽くされた 紅葉(べにば)たちの行く末は
如何にも
Oタマジャクシの燦爛
青瓷の封緘、奥に媚薬を少々
……瑠璃三鳥は粧し込む、殊にムクロのたましい。
金輪際 からくり時計の砂粒すら風花に充散る
それにしたって窮屈な匣である 「わたし」 は
どこへむかうのだろうか?
カラコロと仄かにおう 鈴の音の 歪なことと、静謐な
ざんぎり頭を撫で抱える、この子の胸に
ふりだし、に転げた賽の目の 一生を高棚に含ませる
記憶には残らない遊戯に ズレを畳んで、
薬包紙に灰と塩水を綴って
いたずらに ウロウロ持ち歩くとする
不意に立て付けの悪い盤面から、子種が一縷
漏れ出ていた。そんな出逢いだった
余の肥し 蘇の汚穢、伽藍堂の爾後 御機嫌如何かしら?
正しくは、そう 有り得るもの、
地獄の蓋 再びに繕いて綴じる、然し
定かでは無い このありさまを昇り下る
℃のコワイロも絖ヌメり夥しく明瞭で滑稽 五線譜に境界はない
風媒花封蝋
じゃれあい まとわる ラフ状の念珠、名も無き華と ロザリオに寄せる
あたたかな陽を 抱き停めた魔女は じつとしないコロイドと游んで
退屈に間延びた陰影から無数の咆哮が蹲り相槌と手拍子を起こした、
蔦かずらの奥にある感覚器の無数の絨毛に倒れ込んだ静物は、
浸食に巻き込まれる。
撥ね散ら課した夜の蝶を腹の底へ偲ばせ、
浮力を置き忘れた男は 宵待草に魅せられて
かがみこんだ 刹那に永遠を。反転した尽きを、
又 垣間見た。トワイライト Xの風浪 どこまでいっても、
――月夜、ジャバウォック
虚しくも満ち足りた毒蛾が集る時代の狼狽に躍れ!!
赤裸々の減上に纏われ、どうせお惚れ身罷る、今や……
古臭いマンネリも峠を超えた様でしょうか。
明礬の目的地、あてどころ亡くして、
餞を大地の果てへ 括りつけた遺書の旅愁
真珠街
駆け引きも辞さない ジンジャークッキー、
アイシングされた差廟骨に添えて。
片麻痺の頬を擦り寄せて温める、
そこに吹き抜けるばかりの秒針の音色を備えまして、
かの細い枝葉を懐かしく思って 鼻先を擽るばかりの
天色の かぶりを催したい。
祝辞のコートの裏地に張り付いたカンペ、
その目立つだけの落窪みに
秋風と春色を馴染ませた 今年の浮上率を炭で塗り潰した。
拾参月に適しない、手品師の御挨拶をいただいた
個人情報も 寝癖ちぎれ気の浪漫海道へ
行きずりの人口降灰を照らす、
押しも押されぬ朔氏の教訓に泥酔を来たしたまま、
白く裂き乱れる、鳩のようなもの、プラスして
旋回角度をコピべする。
イカれた あなたとなら 飛び立てれば(易易)
理由なんてない 夢に見た尋ね人の 誤りも
その日限りにして、水没した
BLACK PEARLを助け出して、
心中貝の煌めき、
急ぎ足に頂戴しませ。
庵航路
みすぼらしく散漫な蒼紅。その倦怠期の心の柱の傷の舐め合いは何処か儚げな空気人魚、らしかった。芯や白蟻の、翔きの光の速度で、眼帯を黙読して置いて。空気中に浮遊する 薔薇の濡れ衣 白銀の影狼には追いつけない 似合わないかぎ爪の 膿んだ後を反り返して、左遷したような有形である。手の内の収まる匣にはきっと似合わないであろう 無駄な時間を ただ黙祷していただけ。すでに海鳴りも止んだ なよなよした湿気った風も ちっとも吹きはしない。言葉にしたら乾かなくなりそうな 雨ざらしは、何故に存在しなかったように、溺れた眼球を そのままにチカチカ濁らせている。視界の楚の先
枯山水
垣根のほつれに、鵙の贄が、真新しく光る。胸びれが恭しく、恥じらいを以て、渇いていく わたしは、水面を掻き乱すばかりのかわづ(蛙)であると云いたいのだ。
捨てられた鮒は身を剥かれ、紅く削がれた人魚で遇ったが。躾け謀りの糸(しつけたばかりの意図)、はつけ、捥げたまま、多量の命を繋いでいたのだと、声を荒げた。
その縁側で上手くpeaceを割り出して、当てはめていく多幸感、今を未来に凪ぐための、繋ぐあかぎれで惹き出しているだけ、唯の陶酔の具現化でしかない。
あいされたい、ばかりの 千羽鶴は、ひっそりと いだかれるだけの なみだのあとで いいからと ささくれと撫でつけて鋼の溶剤で、すぅと梳いた。
間違えだらけの鶴と亀を籠める。その手をすり抜ける懐(なつ)の残照に甘んじる 飢餓に狂った囀りを弧の耳に、しかと届けていく。囚われた者共の憐れなことに、細く捩れては斑(まだら)と撥ねる、狂乱の、あの。
熔けた飴細工を幾重にも貼り付けた微笑は、ただ鋭利な言葉を呑み込んでは歪んでいったが、それら、知ら占めるものはやはり何処にもいない、広義の敷居を跨いだ、連れ添うばかりの黒猫の、虚に等しい空咳の驕慢。
(20201018〜20210425 眇繭 自選)
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 713.2
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-08-10
コメント日時 2023-08-12
#現代詩
#縦書き
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2024/11/21 23時09分21秒現在
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こんばんは。 ちょっと今音読したんですけれど「べらんめえ口調」っていうか江戸弁っすね。なにか声に出したら不思議なエネルギーが湧いてきました。
0音読、ですか!まあ!ありがとうございます。このアカウントは創作するぞ!とおもって書いてたので、詩でも物語でも読み手様に任せるという気持ちでいましたから。今でも大抵書きながらブツブツ言ってるんですけど、この頃はマジでノリノリで書いてましたよね。わたしがまあそういう奇をてらうつもりはないですけど。しかしなんでしょうねこれ、しょぼい引き出しですけどなにかしら楽しんでいただければいいとおもっております!(^o^)! お読みいただきありがとうございます!
1こんばんは。読めない漢字は雰囲気で、意味もあまり考えずに言葉と音を楽しみながら読みました。きれいだな、と思うところはちょっと止まって読みなおしたりして。ちがう言語が怒涛のように入り込んでくる感覚がとても好きです。何も考えなくても感覚で読める詩が好きで……。A・O・Iさまの詩はそういう読み方ができるので、いいなあと思います。
0……読みやすさはうまかった。強引に押し切る文字の羅列で……意味など必要に迫られない強さがあった。読み手をたのしませ、書いていてもおもしろかった。自分ではそうおもって一番冴えてた頃と思います。そういった方向性もまた様々で有りたかったのですが、今は欠けてしまった気がするので、取り戻したくも……やはり難しいですね。そういう感じで一旦区切りとしておきましたが、楽しんでいただけたようで嬉しく思います。久智様、コメントありがとうございます。
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