黒川くんちのざぶとん - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

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黒川くんちのざぶとん    

黒川くんちには 座ってはいけないざぶとんがある 黒川くんはらんぼうもの よくぼくのうでを ぞうきんしぼりといって ちからいっぱいねじる ぼくは痛くて顔が真っ赤になる 黒川くんはわらう 黒川くんちに行った時 黒川くんはこのざぶとんだけは 座らないでほしいと 小さなちゃぶ台を囲むひとつの どこにでもあるさぶとんを指さした ゲームに夢中になってそのざぶとんに 足がふれただけで黒川くんは注意した ざぶとんのこと以外 ぼくらはいつも通りに遊んだ なんで座っちゃダメなのか 最後までわからなかった 高校生になってぼくは地元を離れた 黒川くんちには結局一度しか行かなかった 黒川くんが今どこで何をしているのか 知らないけれど 座ってはいけない座布団が 今も僕の前に置かれている 乱暴者で怒りっぽい黒川くんの 触れられない物言わぬ孤独が どっしりと座っているようで 僕は未だに身構えてしまうのだ



黒川くんちのざぶとん ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 20
P V 数 : 1831.4
お気に入り数: 2
投票数   : 3
ポイント数 : 2

作成日時 2023-08-03
コメント日時 2023-08-24
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2024/11/21現在)投稿後10日間
叙情性22
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント22
 平均値  中央値 
叙情性22
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合22
閲覧指数:1831.4
2024/11/21 19時35分31秒現在
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    作品に書かれた推薦文

黒川くんちのざぶとん コメントセクション

コメント数(20)
m.tasaki
作品へ
(2023-08-03)

こんにちは。 子供の頃の思い出を綴った詩のようですね。 その座ってはいけない座布団は、亡くなった家族の大切な思い出の品であったのかもしれません。 そう思うと「黒川くん」の「らんぼう」は、心の中の悲しさや寂しさへの反動だったのかもしれなません。 (皆、憶測に過ぎませんが・・・) ただ、最終連にある 「座ってはいけない座布団が  今も僕の前に置かれている」 とは、どういうことなのでしょう。 強く印象に残った思い出のことを表現したものなのでしょうか。 それとも、大人になって孤独の何たるかを知ったことの象徴なのでしょうか。 はっきりとはわからないのですが、なんと無く気になる作品です。

1
田中恭平 new
田中恭平 new
作品へ
(2023-08-03)

入間しゅかさん作品の詩の導入部分が、私はいつも好きでね。 御免なさい、本当に。 >黒川くんちには >座ってはいけないざぶとんがある これだけで、場を制圧している、っていう、この「場を制圧する」って語は たけだたもつさんから拝借したのだけれど、そうなっていると思う。 私もさあ、長年、詩と付き合っているけれど、こういう 無駄な一行がなにもない詩って書いてみたいんですよね。

1
入間しゅか
入間しゅか
m.tasaki さんへ
(2023-08-04)

ありがとうございます。 自分でも終わり方ちょっとわかりにくかったかなとは思います。 強烈な印象を残した記憶だったんですよ。

0
入間しゅか
入間しゅか
田中恭平 newさんへ
(2023-08-04)

ありがとうございます。場を制圧する。凄くかっこいい表現ですね。普段書いててもっと削れただろこれって思うこと多いので無駄がないと言ってもらえて嬉しいです。

1
1.5A
作品へ
(2023-08-04)

一連目の「黒川くんはらんぼうもの~黒川くんはわらう」までは無くてもいいなと思うし、最終連の「乱暴者で怒りっぽい黒川くんの」は「らんぼうものの黒川くんの」でいいような気がします。同じく最終連の「座ってはいけない座布団」が実体として有るのか、僕の想像なのか、多分前者だと思いますが、黒川くんの不気味さを座布団(ざぶとんから座布団への表記変更の意味とか)に重ねながら終わっていくのは面白いなと思いました。この詩に必要なのは、説明をし過ぎず(言葉を足さず)、言葉を引いていくことだと思います。

1
田中恭平 new
田中恭平 new
1.5Aさんへ
(2023-08-04)

へぇ、こっから更に引くんですね。僕はこのテキストボリュームでいいのかなと 思うんですけれど、ちょっと興味ありますね。

0
1.5A
田中恭平 newさんへ
(2023-08-04)

僕の中では座布団≒黒川くんとなっていて、座布団に座ったらいけない理由を作者の方が明記されなかったように、黒川くん自身を説明する部分もごく簡潔でいいかなと思います。一連目の黒川くんのらんぼうさを、最終連で作者の方は孤独からきているのではと説明されているのですが、全体を読み返してみると一連目の黒川君のらんぼうさの説明が「浮いている」感じがするんですよね。むしろ、らんぼうさというよりは思春期特有の猟奇性を表現されたいのではないかと。もう少し言えば、二連目において黒川くんは注意をするんですよね。座布団に触れた「僕」を殴ったりはせずに。前コメントで僕が引いた方がいいのではないかというのは、そのあたりの整合性を保たれた方がいいのではないかという意味で、今後推敲を重ねてこの詩の世界がより深くなっていくことを願います。

2
田中恭平 new
田中恭平 new
1.5Aさんへ
(2023-08-04)

ほんまかいっ、て思って読みかえしたら確かにそうですね。浮いてるっていうか 座布団⇒黒川くんはらんぼうもの、って話、話しとしたら、違和感ありますね。 ふむふむ、そしたら入間しゅかさん一流の冒頭は、消すしかないんだろうなぁ。 まあ、作者判断ですけれども。 それか、一行空ける、と。あ、勉強になりました。

1
入間しゅか
入間しゅか
1.5Aさんへ
(2023-08-05)

ありがとうございます。ご指摘の点確かに「らんぼうもの」のくだりはもう少しなんとかなったと思います。勉強になりました。今後に活かしたいと思います。

1
1.5A
入間しゅかさんへ
(2023-08-05)

好き勝手書いてすみません。余談ですが、本サイトに「外灯」という塚本一期さんの詩が投稿されています。「黒川くんちのざぶとん」に近い何かを感じます。イメージの一助になるかもと思いました。

2
三浦果実
作品へ
(2023-08-05)

しゅかさん、今日も暑いですね。 ぞうきん絞りが効いてる作品。

1
秋元ささき
作品へ
(2023-08-05)

黒川くんの家に座布団一枚分の空間が残されていたように、「ぼく」の頭の中にも座布団一枚分の黒川くんの孤独が残されている。どこか聖域のような思い出。胸が涼しくなる詩でした。

1
入間しゅか
入間しゅか
三浦果実さんへ
(2023-08-06)

ありがとうございます。暑いっすね。みうらさんのこういうコメント好きですよ。

0
入間しゅか
入間しゅか
秋元ささきさんへ
(2023-08-12)

ありがとうございます。そうですね、どこか不可侵領域的な思い出ではあります。

1
いすき
作品へ
(2023-08-15)

ぞうきんしぼり懐かしい。。。なんだろう他にもなんか、小指の爪の真ん中を、親指の爪で思いっきり握りこんで内出血をさせたり、肩パンとかもやってるみたいな。 ABさんは第三連だっておっしゃっていたのだけど、これに便乗させていただいて、私は何となく、むしろ最後の4行かなあと思いました。この作品は黒川君の神聖で、それを最大化するためにあえて語ることをしないということです。 すみません、でもそれを本当にすると何も書けなくなるので、やっぱりよくわかりません。。。。。。。。。。

1
入間しゅか
入間しゅか
さんへ
(2023-08-19)

ありがとうございます。好きと言ってもらえるだけでもありがたいです。もう少し推敲の余地がありますよね。

0
入間しゅか
入間しゅか
いすきさんへ
(2023-08-22)

ありがとうございます。最後の4行はちょっと置きに行きすぎましたね。今後に活かしたいです。

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入間しゅか
入間しゅか
さんへ
(2023-08-22)

ありがとうございます。やってみた事ないからちょっとやってみた感はありますね。確かにこのフォーマットは便利だと思いました。その分いい作品になるかといいとなかなか難しいんだなと思いました。

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湖湖
湖湖
作品へ
(2023-08-22)

存在をざぶとん、に掛けて詩を描くことに成功していると思います。これは私も思って椅子として書いていたのですが椅子として、誰もが書ける命題になりそうですね。

1
入間しゅか
入間しゅか
湖湖さんへ
(2023-08-24)

ありがとうございます。成功しているといってもらえてほっとしました。

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投稿作品数: 2