真夏の雪が降る
三十五度の気温の中で
ジリジリと当たる熱線とは似つかわしくない冷たい雪が
雪は頬に当たって涙になる
死にゆく生命体を眺めている
嬉しそうにしているのを見るととても愛おしいけれど
どこに逝ってしまうのだろうかと思うと胸が苦しくなる
命は無限ではなくて
私もあなたもいつかは朽ちる
それなのに思考は止まらないのだ
鳥も魚も人間もみんなみんな命が尽きるまでの間
束の間の時間を過ごしている
幸せかい?
それならいいのだけれど
もし悲しいなら
打ち明けてほしい
分からないんだ
君の考えていることが
どうしてあげたらいいのかが
だから雪はどんどん降ってくる
こぼれ落ちる夏の日差しにも負けずに
降り積もる
君の死にゆくのを眺めている
自分の不甲斐なさを責める一匹の白鳥のように
白い羽も雪で出来ているのかもしれないな
それよりもみんな実は雪で出来ているのかも
溶けて水分になるだけのひとつの塊
魂は空に登っていくと言うけれど本当に魂があるのか
私には分からない
分からないんだ
作品データ
コメント数 : 7
P V 数 : 844.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 6
作成日時 2023-07-08
コメント日時 2023-07-10
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 6 | 6 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 6 | 6 |
閲覧指数:844.7
2024/11/21 19時53分15秒現在
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こんにちは。 タイトルの「マナツノユキ」とは、儚く消えゆく命の象徴でしょうか。それとも、融けるよりも速く降り積もる悲しみの象徴でしょうか。 「死にゆく生命体」とは、犬や猫といった動物のように受けとりました。 動物だから言葉を持たない。言葉を持たないから考えていることやどうしてあげたらいいのかがわからない。 動物だから本当に魂があるのかどうかわからない。 だから悲しみか降り積もってゆく。 そんなふうに読みとりました。 そして 「それよりもみんな実は雪で出来ているのかも 溶けて水分になるだけのひとつの塊」 というところは、生きているものは皆、死んだら大元の一つの命に還ってゆく、ということを表しているように思えました。 とても悲しげな詩ですね。
0こんにちは。 タイトルのイメージはどちらも当てはまるような気がします。でも、前者の方が私のイメージとより合っていると思います。 それから、詩の感想もありがとうございます。 やっぱり自分で読んでも、とても悲しい詩だと思います。
0牧場従業員です。 どうにも死ぬ瞬間や死んで幾許もたっていない牛たちを思い起します。 悲しむ暇もなく生きている牛を幸せにしないといけないのですが。 死んでしまった牛たちの経験を積みながら。 即興で返詩を川柳で。 幸せか? 紡ぎ続ける 手動かす
0ライトコメントです。本来ありえないものがあるという夢の世界観の詩は私はけっこういろいろ読み、失礼だがその先について知りたいと感じました。白鳥は死の間際にとてもきれいな歌を歌う。それは白鳥の歌と呼ばれており、ときにはバーブラウン社の開発した往年の名機DSD1793を指したりもする・・・・・・・・・・たとえばものすごく嫌われてる感じの人がいたとして、彼が自分の居場所を失い、とうとうコミュニティから消えたとき、私の考えではそれはコミュニティの排他的な圧力が彼を殺したとみなす。だが実際は死んでいないので・・・・・・・彼に生きる意志さえあれば、とうぜんながら違う場所で違う人たちと、ふたたび出会いと別れをする。それは同じ人生で2回生まれて死ぬのとよく似ていると思う。 でも悲しい詩だと思いました。人間は死んだらどこへ行ってしまうのか知っている人は誰もいない。。。
0こんにちは。 牛を育てるお仕事、命と向き合う職業なのでお辛い時もありますよね。 それでも続けてらっしゃる羽田さんを尊敬します。 返詩の川柳もありがとうございました。 私も返歌しますね。 夏風の 気持ちの良さを 感じても 途方に暮れる 命の短さ
0こんにちは。 そうですね。死ぬ間際の白鳥が美しい歌を歌ったり、コミュニティから疎外された人が他のコミュニティでまた認められたりする。そんなこともあるのかもしれませんね。 それはきっと生命力の強さのようなものを仰っていると思います。そうですね。私もそれを信じられたらと思います。 「幸せだよ」と話すことが出来たら私も安心出来るのかもしれませんね。
0こんにちは。 死にゆくものを見つめるのは本当にキツイです。 生きていると色々あります。なんとか、踏ん張って生きようと思います。
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