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暗黒の人
生まれながらの暗闇の中で 風に吹かれ 見失った心を探して 時間のひずみの中を 何度も右往左往した。 時々 心の中の景色がぼやけて この世界と共に自分が虚ろになった。 風が 様々な景色を運んでは、遠ざけていった。 心はいつも その移ろいに追いつけなくて 気が付くと風の流れを断ち切ろうとして 手応えのない空気の渦に 何度も、何度も、何度も、切りつけた。 何度も 風を切り裂こうとした あの時、僕は あなたを切り裂こうとしてしまったのだろうか? あなたを見失ってしまった今となっては もうその事を知る事はできない。 風は切り刻もうとする僕を いつも見下ろし せせら笑い 唾を吐きつけ 空の上を巡った。 今もその笑い声が聞こえる。 切り付けようとする物は絶対傷つかず 傷つけたくないものばかり傷ついてゆく。 もう二度と戻らない物や もう二度と見る事のない風景 もう二度と聞くことのない声 そのすべてが 時々激しい憎悪を伴って 僕の脳細胞を細かく切り刻んだ。 流れる血は絶対に真っ黒で 嫌な臭いがした。 その有様に いつも僕は自嘲気味に笑って その後泣いた
暗黒の人 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 484.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-06-02
コメント日時 2023-06-09
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
普通は、風に切り裂かれる感じを、風を切り裂こうとしている。血の真っ黒さや、嫌な臭い。色はともかく、匂いは比喩なのかもしれません。血に込められたストーリーが秘められているのかもしれません。
1これは作品を鏡として自分を見直すための詩なのかな。 いつも見下ろし せせら笑い 唾を吐きつけ 空の上を巡った。 今もその笑い声が聞こえる。 おそらく風はそんなことは一切関知せずにただ吹いていることでしょう。
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