「藻造紙」
言葉が沸点に達する、なんて
誤解している間に
魚の標識を取り替えちまおう
「夢磁石」
それは夢磁石というらしい
知らなければ
ルンバと間違えそう
だから
赤道直下の足を掻く
「とこちゃん」
『もう書くとこないよ 読むとこないよ』
とこちゃんの詩集はとことこ歩く
「ラヂオ体操」
不幸な話を聞きながら
居眠りしてしまった自分を叱った
自分の中の眠気を叱った
この阿呆ときつく叱った
叱りながら上手い口実を考えていた
僕は僕なのだ
僕は僕なのだ
僕から出て僕に帰るのだ
言葉たち
朝の冷気に
手足を動かす
「一ミリ」
ほんの短い出来事を
ファイルにはさむ夕まぐれ
取り出して欲しいと撥ねる言葉の行列を
ひたすら無視して
ちっぽけな台に上がる
清心なものたちを呼び寄せた
それでいい
「合羽」
ものを置かない空に
ひかりのボールを投げた
スパークする一瞬を愛した作家がいたことを
ふりそそぐ
見えない音に
思い出す
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 841.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-05-18
コメント日時 2023-05-19
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:841.4
2024/11/21 23時36分29秒現在
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こんにちは。 今回の連作集は正直なところ、あまりよく意味が掴めなかったのですが、詩を書く立場から見て、「とこちゃん」と「一ミリ」と「合羽」が良かったです。 「とこちゃん」の「とこちゃんの詩集はとことこ歩く」というところがこの連作集のイメージと重なりました。 「一ミリ」の「清心なものたち」とは何でしょう。雑多な言葉の中から本当に清んだものだけを取り出したということでしょうか。 「合羽」は、 「ものを置かない空に ひかりのボールを投げた」 と、 「ふりそそぐ 見えない音に」 という表現がとても新鮮です。 ところで、サブスクリプトとは下付き文字、基準となる文字より下部に記述される添え字のことだそうですが、タイトルの「サブスクノート」とはそのような含意があるのでしょうか。
0営みのうちに、何気なくある気持ちを表現するとき、何にこだわって何がどうでもいいのかということ、その何にこだわっているかを >僕は僕なのだ 僕は僕なのだ 僕から出て僕に帰るのだ 言葉たち に一番読み取れた。 それぞれの短文のなかにあるささやかなこと。読んでよかったです。
0丁寧なご感想ありがとうございました。 自由な読みが作者の希望するところです。
0抜き出しのところは偶然出てきた感じの言葉ですが、言葉と身体性についてささやかな考察をしてみました。 ご感想ありがとうございました。
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