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宙づり
関東近郊のある山の中で、私は宙を目の当たりにした。 私を中心に、天球面には星々が煌々と輝く。 それらは輪郭を繋いで、新たな軌跡を生み出す。 現世で不変なものは数少ない。 今見えているこの星々も数千年、或いは数万年すれば塵となり、また新たな軌跡を紡いでいく。 万物流転の中で、私は新たな軌跡を紡いだ一つの流体分子に過ぎないのか。 はたまた、歴史という軌跡を生み出す鉛筆を私は生きているのか。 その答えは、きっとこの星々が答えてくれよう。
宙づり ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1137.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-05-02
コメント日時 2023-05-08
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
はじめまして。 満天の星を見て永遠を感じたのでしょうか。 夜空にまたたく星々の比べれば、人の一生などほんの一瞬に過ぎないように思えますが、星も永遠ではありません。 それを考えれば、「現世で不変なものは数少ない」というよりも「現世で不変なものはない」という気がします。 仏教で言う「諸行無常」ですね。 ただ細かいことですが、恒星の寿命は数千万年から百億年ほどだそうで、数千年や数万年では短すぎます。 でも、星空を見たときの感覚がうまくまとまって書かれていると思います。
2こんにちは。 星の寿命に関して、たしかに少し短すぎた気がします。しかし、オリオン座一等星のベテルギウスがもう十万年ほどで超新星爆発を起こして消えてしまうらしいですね。星も寿命があるなら、私たちと通ずる何かがありそうな気がします。 無常観は昔から色々な媒体でよく書かれてきましたが、いざ言葉にすると自分でもよくわからない、寂しいようなそれでいて清々しいような感情に襲われました。 これからも詩を楽しく書いていこうと思いました。ありがとうございます。
1長い時間の中では、やがてあらゆるものが消滅したり、また生まれたり、確かに私達の身体もミクロな視点で捉えたら分子や元素のようなものなのかもしれません。この作品では、冒頭の「関東近郊の山の中」のような地域ではじまり、「歴史を生み出す鉛筆」のように、時間、単位などのスケール感覚の違うものをコンパクトに描きだされる筆致を興味深く思いました。
1「鉛筆」という言葉、唐突に置かれている印象があります。 鉛筆一本を消費するくらいの長さでしょうか、宇宙の時間軸に置かれた人間の一生など。そんなことをちょっと思いました。
1「流体分子」の部分は生物学の動的平衡という話を参考にしています。個人的に好きな話なので、時間がありましたら是非ご覧になってみてください。 旅に出ると視界がぐっと広がりますね。そんな感覚を大事に書いてみました。 ありがとうございます。
1確かに鉛筆の登場が突然すぎたかもしれませんね。 ご指摘ありがとうございます。 人々が繋げてきた歴史も、鉛筆一本程度の人生の連続のように感じます。
0自分を中心に星々の煌めきを感じるという果てしない自己肯定のような文章の後に、諸行無常と無力さを感じさせる文章を書く。人間の感性のとても深い部分に触れられるような、そんな詩だとおもいました。
1旅行から帰った後でも、星を見ると裏表のある感情が頭の中でぐるぐるとします。 綺麗だなって思ったら、次の瞬間には自己否定の感情が生まれたり。 考え方によってはここが人間の面白いところだな、と思いました。 ありがとうございます。
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