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マイケル・スタイプ
私の新しい墓が建ったのでと 墓地の管理人という人から電報が入った 通夜は一か月も前に執り行われ 母が喪主を務めたということだった 「なんで私、誰かに聞く迄、 自分がいつ死んだのかも分からないんですか」 仕方がなくそう母にラインすると 「皆泣いてたわ」 「イタリアの小さな村が見たいから、またね」 それきり返事は途絶えた 確か最後に見た記憶があるのがR.E.Mのライブで マイケル・スタイプって多分 訃報も日本まで届いてないんじゃないかな 綺麗に解散したのは知ってるけど あれから何してたんだっけ 思い出 新品の墓 皆って一体誰だ またねってことは私はまだ死ぬのか? 自分が死んだかどうかまでラインで気軽に聞かなきゃいけないのか どうして母はいつも笑ってるんだ 私の前でだけは 検索して出てきた住所を ストリートビューで見るとそこは更地で 外来種の雑草が根を張り始めていた これから一軒家でも建ちそうな趣だが この場所を撮影したのがいつなのか実際に行かないと 私の墓があるのかどうかも不安だ あったらあったで悲しいんだが とりあえず350円で仏花を買い、私は電車に乗った
マイケル・スタイプ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 922.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-05-02
コメント日時 2023-05-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
こんにちは。 残念ながら私はマイケル・スタイプという方のことを全く知りませんでした。 関心のない人にとって、他者の死は全くの無なのでしょう。 それと同じように、自分が生きているという実感があまりにも薄いと、自分の死でさえ無のように感じて、誰かに確認しなければならないのかもしれません。 この詩を読んでそんなことを考えました。
0こんにちは。 知らなくても大丈夫です。私もそんなに好きじゃありません。 生きる人間しか死には囚われない、というか、 多くの人が頭を悩ませてきた、奇怪な呪いですよね。死にたい、とは。 どうして私がプリキュアに?!と同じテンションで誰かに確認したくもなるのでしょう。 有難うございます。
0アイディアが面白くて、さあっと読んでしまった。 今の時代の軽さ、への批評も含みつつ、そのノリに乗らざるを得ないというか。 流行感覚に富んでらっしゃるのかな。
0死んだ自分と相対する。弔い続けてきた死体がよみがえる。 人々が何千年も願い続けてきた夢なのですが、 現実に起こるとしたら、特別なことなんて何もないのかもしれないです。 中身が空っぽになってしまった体だけが、帰れない家を探してさまよい続ける。 流行のただ中にいる人々は、乗ろうとしている訳ではなく、 何も考えていないだけ、と昔悟りました。 有難うございます。
0この主人公は自らが死ぬことによって皆の命を守っている母はそのことを知っていると私は想像しました
0即身仏や人柱に似た、主人公の生き方を母だけが知っているのかもしれないですね。 有難うございます。
0うーむ、死後の世界ですか。あなたの知らない世界ではないですが、「死後」と言うのは漫画では結構再現されているのかもしれませんが、それは文字芸術でもいっしょなのかもしれません。墓とか通夜とか、仏花。電車に乗ったのは幽霊なのだろうかと思いました。死んだ後も死ぬとは少し理解し辛いのですが、確かに有り得る事なのかもしれません。
0死という概念は各個色々で知ると結構楽しいです。 詩人は若くして死ぬことで自分の作品を完成させているように感じます。 有難うございます。
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