「もう雪は降りませんよね?」
と空に尋ねたら
「約束が嫌いだから何も言えないよ」
との返事
続けて空はこう言った
「君が掲げている君の小さな手は
君が生きてきた中で
今が一番血の気を帯びているから
僕はそんな手を持ってしまった君を
連れ去りたいと思っている」
空の言うことはとても怖い
できることなら空が放った今の話を
まだ寒気を含んだ風にのせて
なかったことにしてもらいたい
もう一度尋ねる
「雪は降りませんよね⁈」
風は空の話はそのままにして
がなりたてた私の声だけをかき消して
吹き抜けて行ってしまったけれど
私は大きくなれなかったこの手を
空に広げ念を押す
「もう絶対に雪は降りませんよね?
私はまだそちらに行きません」
「応答願います」
作品データ
コメント数 : 21
P V 数 : 1754.6
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-04-18
コメント日時 2023-05-08
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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閲覧指数:1754.6
2024/11/21 23時16分08秒現在
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はじめまして。 この詩での空や風は、何か自分より大きなもの、例えば社会とか人生とか、そういったものを表しているのでしょうか。 そして雪とは、何か辛いことや困難なことの隠喩であり、大きくなれなかった手とは己の非力さを表しているように受け取れます。 そうであるならば、「私はまだそちらに行きません」というところは、自分はまだ生きるのを諦めない、という宣言のように読み取れます。 生きることや苦悩の意味を人生に問いかけても答えは得られない、そんな苦しさをこの詩から感じ取ってしまいます。 受け取り方がズレているかもしれませんが・・・
1約束が嫌い、何も言えないよ、と言う割には、なかなかにお喋りだし、そっちは勝手に約束していくのね。。こういうタイプって、現実世界でもたまにいるんですよね。ぶっちゃけ大変面倒なので、どんなに怖いと感じたとしても、一切スルーしますけど。 それはさておき、この作品においては、怖さも何も感じない作品でした。
0はじめまして。コメントありがとうございます。 空、風が社会や人生と捉えられてもあながち間違ってないです。 もっと大きないわばスピリチュアル的なイメージをしました。 答え探しが苦しいから、いっそのこと空に連れ去られてもいいかもしれないと思う一方で やはり諦めたくないと誰にかに向かって宣言してます。多分、自分自身に対してでしょう。
1コメントありがとうございます。 どのように受け取ればいいのか正直困惑してしています。 「何も感じない」ですか…
0度々のコメントですみません。 余計なおせっかいかもしれませんが、V・E・フランクルという人は、「人生の意味を問うべきではない、なぜなら人は人生から問いかけられている存在だから」といった意味のことを言っています。 つまり、こちらから問いかけて答えを求めるのではなく、人生からの問いかけに行動や態度で答えるということらしいです。
3あの・・陸自ヘリ事故の最後はきっとこんな感じだったのかなあと思ってしまいます。詩の緊迫感で想像してしまいました。すみませんでした。
1ありがとうございます。
0コメントありがとうございます。 特にそのニュースを意識したわけではありませんが、「緊迫感」を感じられたのですね。それも有りでしょうね。 書き手はどういうニュアンスを詩に持たせるかを明確にしたほうがいいのでしょうね。
0コメントありがとうございます。「ぐっとくる」とのご感想嬉しいです。 空って本当に得体知れないですね。死神かもしれませんが、死神も神なので逆らえないです。でも戯もいい加減にしてもらいたいものです。空からの答えはご想像にお任せします。
0野田秀樹の戯曲「オイル」を思い出しました。 電話交換手の姉と、特攻隊からの脱走兵である弟。 電話の向う側の弟は、ヒロシマに居り、電話中に、その時が訪れる――、といった要約で宜しいかは、皆様に委ねさせて頂きますが。 タイトル、結句が、諸々を孕んでおりますね。 下記は、蛇足です。 今、米中戦争、等という莫迦げた状況が引き起こされたと致しまして、最も喜ぶのは誰か――(米国も、中国も、ロシアも、ウクライナも、台湾も、勿論日本も。歓迎しない状況でございましょう)、 考えあぐねておりますところでございます。 誰かが、戦争を焦がれていると致しますなら、それは国家か、民衆の無意識か、メディアか、軍需企業か、或はそれ以外のなにものか、かと、空気を読まずに、妄想か思索、を致しております。 怖れるべきは、徒に敵対心を煽る某か、に私達を煽動して行く、その空気のような、何か、かも。
3コメントありがとうございます。 電話交換手の富士とこの詩の「私」と重なったのでしょうか。 それとも「オイル」は「老いる」とも重なるという点で拙作と繋がったのでしょうか。
1ご返信、ありがとうございます。 富士と、重なりました次第でございます。 寧ろ「老いる」のは私の方でございます。
2「老いる」が含まれてる詩です。「老いる」ことには逆らえません。けれどまだできることが、やりたいことをやれるまであちらにいきたくないのです。
0空って連れ去られてしまうものってありますよね。誰かと誰かの会話もどこかしら連れ去られてしまう時があって、応答は僅かながら留め置かれる杭にも感じたり。寒さが薄らいでゆく季節に夢想の真ん中でリアルな言葉を含ませていたい、そんな気持ちになる作品。
3約束を守るのが苦手で、初めから約束をしなかったころがありました。友人からも守れないなら約束しないで、と言われたことがあります。もう雪は降らないでほしいなぁ。6月の気温ですからね。寒がりの暑がりです。読みやすい作品だと思います。こんなコメントですみません。
1コメントありがとございます。 「応答は僅かながら留め置かれる杭」ですね。そっけない空と繋がりたいがばかりに杭打つんでしょうね。連れて行かれたくはないですが…
0コメントありがとうございます。 ここんところの空は約束と違うことばかりしてくれます。最も空は約束などしてないと思っているかもしれませんが。そういう詩の中の私も約束守れないこと多々ありそれが自己嫌悪でもあります。
0好みな作品であったけれど、最後の一文を、敢えて削る勇気があれば これは僕の中でとりわけ、いつでも思い出せる作品になっていたのかな、と思います。
1コメントありがとうございます。そして返事遅れすみません。 タイトルと最後が重なって諄いですよね。言い過ぎると軸が揺らいでいるのが見え見えですね。削る勇気を持とうと思います。
1空に何か問いかけても返事が返って来ないことが半ば常識のように思っていたので、このやり取りは新鮮でした。 >私は大きくなれなかったこの手を >空に広げ念を押す いろんな受け止めが出来て、この詩の幅が広がるところだと思いました。
1コメントありがとうございます。 受け入れて頂けたようで嬉しいです。
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