厠に宿る水の気配
足を開けばすきま風
未練たらしく溢れ出す
私の中のまた私
何処まで行くの?
用事があるの?
置いてかないで
心なら元気だよ
ダウンタウンは夢うつつ
アプリを閉じて猫の口
ウーバーイーツの喉笛に
来た道と行く道が混ざり合う
大地を揺るがす合唱団
時折私を逃がす病名
何故と問う瞳は湿り
谷底に佇む一人
やまびこの家を訪ねる
たまたま虹がいて
旋風は今しがた去った後
置いてかないで
肢体は元気だよ
こうして箸も握れるし
お米もちゃんと炊ける
海水浴場は遠いけど
写真ならいつでも撮れる
ああ明日から何を頼りに
冷たいだけの個室で
眼帯をゆっくり外す
昨日が今にも袖を絞って
粋な裁きを待っている
厠に水流の無垢な気配
置いてかないで
ねえ
置いてかないでったら
思い出は元気だよ
名前だって言えるし
年齢はあやふやだけど
説明なんてしたら駄目
二人だけのそれは引力
私に限り惑星直列
今でもまだ少し
その人のこと
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 781.8
お気に入り数: 0
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ポイント数 : 0
作成日時 2023-04-02
コメント日時 2023-04-05
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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閲覧指数:781.8
2024/11/21 23時10分59秒現在
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「厠」ありがとうございます。私はまだB-REVIEWのことが分からず、コメントを読ませていただくのも四苦八苦なので、お許し願います。タイトルですが、意表を突かれたという印象でございます。内容の方は、全体的に分かりやすく、スポーツ的にというか空手的に申しますと、ストレートに書かれていらっしゃるように思います。大変申し訳ございません。書くべきことではございませんが、私の間違いでしたら、げんこつ一回位で許していただきたいのですが、日本現代詩人会で入選なされているということ、凄いじゃないですか。立派な受賞歴になりますよ。私の方は、B-REVIEWで一度、受賞作に輝いている程度です。実は昨年11月に一作、現代詩人会に投稿いたしましたが、佳作にもならなかったです。ということは、私の方が格下ということです。何言っているんだと思いましたら、無視してくださればと思っております。ありがとうございました。
0厠、という古めかしい言葉とその水飛沫が全体に時の流れと今という時間が刻々と消費され失われていることの分かりやすい喩えになっていると思いました。ちょっとわからない喩えもありましたが、全体的にお上手で端的で良く書けた詩だなぁ、と感じました。人と惑星直列を思うのは自分だけ、って、共感的抒情があるけど寂しいわ。
0こちらこそ読んでいただきありがとうございます。私スポーツは全然駄目で、特に格闘技の類は度胸がないから無理です。カスタネットぐらいなら叩けますが。 詩は格上も格下も寄り切りもありません。その場限りのその場しのぎ、魂と魂のぶつかり合い、男は黙ってカールスバーグなんですよ。
0わかりやすいと言われて嬉しいです。わからないと言われ続けてン十年、やっと苦労が報われる時が来ました。そうなんです。私の詩は本当は凄くわかりやすいんですよ。どれくらいわかりやすいかというともう、「共感的抒情」って聞いて「九官鳥の事情」かと思うくらいに。
0終わり方が唐突でよい。
0主人公が何を思ったか急にどっか行っちゃいまして。。
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