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言語で遊ぶ
風が降る、木の扉をしめても下から入ってくる、を放っておいて、ふたりシス派のイエスのように、森林の部屋にしずか身を寄せ、寒くもなく、暑くもなくて、放流の、このあと入るシャワーへ期待しつつ、古川日出夫の小説をそっと諳んじ、グランジを流し、熊のヌイグルミに蹴りを入れたり抱きついたり、でも僕らは触れ合わない、こわれてしまうから、と言葉たちの硬質のそれが柔らかくなるまで待つに、夜が階層を上げスピードアップ、外へ出よう、幽霊に会釈して、幽霊が返したら水をかけよう、ひどいですよう、僕らは触れ合わない、なんで?とおいからさ、人間と無だ、いないの、こわいよう、いるよ、くるよ、ここにいるよくるよ、とふざけた所、ふと足もとに土くれが当たる、土くれしか当たらない、星はとおい、僕らは触れ合わない、急ぐな、いがらっぽい声で語るな、加熱式煙草のラッキーダークを吸いながら、テクテク、テクる。歩き、たばこ。煙草が歩いているのだ。微かな匂いがたれこめ竹藪の中殺され、しかし息ができる。死に、僕らは触れ合わない。遊んでいただけさ、それももう飽きた、電験三種の勉強をするさ、1000時間の勉強をするさ、とTEL。向こうからライトが照って、ロールスロイスが行ってしまった。あんな車。僕らは触れ合わない。して、マックロクロスケ、が雰囲気を変えようというので、夜の散策にして川に向かい、乾いた声質で「ああっ!」と叫んでドボン入水。十分後には僕は森林の部屋で心臓マッサージされた、はじめて触れられた、何に?あなたはだあれ?わたしはだあれ?それからそのあたたかい手でそっと背中を撫でてもらって、僕はおいおい泣いたような気もするが、季節は過ぎます。何の季節ですか、地獄の季節です。それは乱暴ではないですか。ランボーです。知っています、紳士。ムム、薬のカクテル、要ります?素面ジャンキーなんです。素面ジャンキー?正気ってこと?そうです、それは疑った方がイイネ、イイネつけとこ、違う、セカイ、狂ってる、キミ、もう狂ってる、駄目。ああそう、ガッ、と紳士の右頬を殴った。紳士はいう、報復は、しない、クリスチャンだから、といってクリスちゃんはおいおい泣いた。なんで泣くんだよ。歳をとった僕も理由もなく、涙が出ていることがあるのです。しかし何かが最初からおかしかった。風は上から降っていた、向こうから命がやってきた、それに乗ってしまった、母の腹を痛めないで生まれた、まるで生まれることが当然のように、そうじゃないのに、さも偉そうに言葉の暴力、こんな負荷かけて、不可解な文章を書いて、しかも試されている、テストされている、人間の証明をさせられている、人間の照明、また、ミヤザワケンジ!お前はいつも出てくるな、ニヤリ、またな、風の又三郎、ひゅるりひゅるり、ふい~っ、とすべてがちりぢりになって視界はぼやけはじめ、野暮に感じて、書くことが、要は飽きて、きっとすぐに秋になって、それでもティーシャツを着ていて、そのときにも頭に血が昇っていて、理由なんてなくて、でもあって、見えてないだけで、馬鹿だから、ぜんぶ僕のせいで、実際そうで、人間関係のバランスは崩れ、それは詩を書いていることに起因しないでと祈りながら夜も眠れないなんて、おかしいな、月が滲んでみえる、何も見えない筈なのに、なんで何も見えない筈なのに、なんで希望は見えてしまうのだろう、嫌な匂いがする、人間の本能の匂いがする、と目を開いたとき、アマテラス、地獄を照らす。シャワーは浴び終えて、ベッドにバタンと倒れこんだ。
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作品データ
P V 数 : 752.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-03-26
コメント日時 2023-03-26
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
こんにちは。 まさしくタイトル通りの言葉遊びですね。 このようなものを意識下の自動筆記というのでしょうか。 様々な言葉が次々と紡ぎ出されてきますが、古川日出夫、森村誠一、宮沢賢治の作品が比較的強く作者の心に残っているような感じがします。 また、「電験三種の勉強をするさ、1000時間の勉強をするさ」という記述からは実生活が垣間見られます。 そして、「僕らは触れあわない」「とおい」という言葉が何度か出てきた後、「人間関係のバランスは崩れ、それは詩を書いていることに起因しないでと祈りながら夜も眠れないなんて」と書かれているところは、本人の悩みの深さを窺わせます。 プロの心理プロファイラーが読んだら、詳細な人物像が描き出されそうな、そんなふうに思える詩ですね。
1お読みくださりありがとうございます。 自動筆記というのは自動、オートですから無意識の範疇ですよね。 その無意識に言葉を書いていく、装置、環境を用意する、そういったことはしてないですね。 まあ、今、自動筆記しました、って詩人が現れたら凄いと思うんですけれど。 なるほど、なるほど、この詩を読んでなにかしらの「意思伝達」はできているわけですね。 私が狙ったのは、言語遊戯、言葉遊びが過ぎると、寧ろ伝わらないという事実なのですが そういうことにはならないことが、遊びというか、実験で、今わかりました。
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