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ゴキブリ飯店
やっと運ばれたラーメンに 小さなゴキブリが入っていたので 店員のお姉さんを呼んで苦情を言ったのだが、 なぜかマトモに話を聞いてくれない 挙げ句の果てには 「もう、これ以上粘着しないで下さい」と言われ、 やむなく店主を呼んで事情を説明すると 「お客さん、騒動を起こさないで下さいよ」と言われた 店主の話はこうだ―― 「ウチは会員制の店で、入口に『料理には一切クレームを入れないこと』って、ちゃんと書いてあるやないですか」 本当かどうか、いったん店の外に出て確認したが、 それらしい張り紙は見つからなかった ところがドアを閉めてから振り向いたとたん、 思わず、「あ!」と叫んでしまった ドアの入口側ではなく、 ドアの裏側に「会員制中華レストラン 〇△◆」 ●店の料理には一切クレームを入れないこと そして、 ●一度来店した者は自動的に会員となり、永久に退会を認めない と記された、茶褐色の張り紙があった 「そ、そんな!」 ボクが理不尽だと訴えると 店主は意地悪そうに笑い、 「ドアの表だろうが裏側だろうと、入口のドアにはちゃんと書いてあるのとちゃいまっか」 と、ボクを睨みつけるように太くふてぶてしい声でそう言った ああ、仕方ない‥‥どうしようもできない ボクは幽霊のような歩みでテーブルへと戻り、 「だったらこの店で、腹を壊して死んでやる!」 悲壮な顔でそう呟くと、 滝のような涙を流しながら、 まだ動いている、 元気なゴキブリの入ったラーメンをすすり始めた
ゴキブリ飯店 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 699.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2023-03-17
コメント日時 2023-03-18
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
大阪で、本当に小さなゴキブリのでるうどん屋さんがありました。店員さんは慣れているのか、特に大袈裟な謝罪はなく、手早くゴキブリを処理し、他の席へ案内してくれましたが、その席でもゴキブリが既にお待ちしておりました。お店は満員で、お客様も慣れているようで、騒ぐ人はいませんでした。観光客の私たち家族は、戸惑いながらも、うどんを待っていて、食べたら、あまりの美味しさに、ゴキブリのことはどうでもよくなりました。 うどんに入っていたわけではないけど、大のゴキブリ嫌いの私でも、あのお店のうどんはまた食べたいと思いました。 すみません。それだけです。
0コメントをありがとうございます。 「食べたら、あまりの美味しさに、ゴキブリのことはどうでもよくなりました」って、おい! 「お店は満員で、お客様も慣れているようで、騒ぐ人はいませんでした」って、おい、おい! 「大のゴキブリ嫌いの私でも、あのお店のうどんはまた食べたいと思いました」って、君ぃ。 それ特殊すぎるぞ。 )))
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