手繰り寄せること - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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手繰り寄せること    

胸の前で糸を手繰る所作は 春を引き剥がすことそのものだから いつかと願うことのみを自身に許すことにした 夕焼けの中で引き絞られつつ地平を眺めたのは 昨日のことなのだろう 行き交う目線のなかで佇んだ場所は 偶然にいる場所のはずだった 地表へ掌を押し当てたのは単なる思い付きだった それは傍から見れば秋を引き寄せることに似ていたのかも知れない いつかと確信することのみを携えることにした故だろう そっとある朝焼けの傍らで引き戻されつつ 一方通行の細い細い道を振り返り 進み続けてきた両脚をねぎらう その意味が付与されてしまった特定の場所にて だからきっと きみはもう 自由になっても 良いのかも知れない



手繰り寄せること ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 6
P V 数 : 764.5
お気に入り数: 1
投票数   : 1
ポイント数 : 23

作成日時 2023-02-20
コメント日時 2023-02-22
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性44
前衛性44
可読性44
エンタメ22
技巧33
音韻33
構成33
総合ポイント2323
 平均値  中央値 
叙情性44
前衛性44
可読性44
 エンタメ22
技巧33
音韻33
構成33
総合2323
閲覧指数:764.5
2025/04/10 17時22分34秒現在
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    作品に書かれた推薦文

手繰り寄せること コメントセクション

コメント数(6)
黒髪
作品へ
(2023-02-20)

複雑な内容のある詩だなあと思いました。夕焼けの中で引き絞られるようになんて、とても胸に来る表現。場所について何かあるのかなあと思ったらやはり。おそらくは育ってきた場所と、それに対比されるある異郷でしょうか。時間や記憶についてある答えに至っているようで、読みがいがあります。推測しながら読むのを楽しめる。そして胸を打たれることも。春─秋─いつか。今こそいつかか。

1
m.tasaki
作品へ
(2023-02-20)

はじめまして。 冒頭の引き剥がされる春とは、夢や希望の象徴で、胸元で糸を手繰る所作は、現実を受け入れることを表しているのでしょうか。  行き交う目線のなかで佇んだ場所は  偶然にいる場所のはずだった ということは、その場所が偶然ではないように感じたということでしょう。 それは一方通行の細い道を振り返ってはじめて、感じることのできることなのかもしれません。 偶然ではないと思うということは、意味を付与することでもあるのですから。 オーストリアの精神科医、V・E・フランクルの言葉に「意味への意志」というものがあります。 人間とは意味への意志を持つ存在であって、人生の意味を満たすことが生きる力になると言っています。 この詩を読んで、全体に漂う哀感の奥底に、「意味への意志」の存在を感じました。

0
かずや
かずや
作品へ
(2023-02-20)

それは傍から見れば秋を引き寄せることに似ていたのかも知れない というこの部分、語り手が他者からの視点を想像するという所で現実に引き戻されてしまいました。 惜しいなあと。

0
白川ロイヨ
黒髪さんへ
(2023-02-20)

お褒めいただきありがとうございます。 丁寧に読んでくださる方がいるということはありがたいものですね。 この場の良さを痛感します。

1
白川ロイヨ
m.tasaki さんへ
(2023-02-20)

フランクル、昔日にいくつか読んだ記憶があります。 夜と霧とあとなんだっけな。 とにかく夜と霧は一時期のまぎれもない道標であったように思えます。 好きなのだと思います。

0
白川ロイヨ
かずやさんへ
(2023-02-22)

現実はいつもそこにありますからね 私個人としては引き戻されていいと思っています

1

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投稿作品数: 2