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煙突
暮れかけの町に 石ころ蹴飛ばし からりとした 季節が鳴く 鱗のような闇が 浮世を包み 気持ちはいつも 定かでないのに 何やら繰り返し 歩く道がある 風に裂かれた詩集の傷跡 零れた言葉の血が 新しい戯曲を生む しばらく静かな生活を思う 凪いだ檸檬の香りに 悶々とする夜 都市の風に爆ぜた 恋と劣情 生きていくのは 始めから 途切れ途切れのスロウソングのようだと 雑踏の淵辺で 潤ませた瞳 昨晩の生温い気圧に問えば 古い怒りとともに 台風は消え 朝一の銭湯に入りにゆく 煙突よ、ほら煙突よ それは誰の疲弊を含んだ煙かと いつかに見上げたうなじと 青い空 忘れることは 想うこと 疑うことも 想うこと 坂道に似た過去も ひとりきり ざあざあと流れる汗を 風に吹かせ だらだらと歌うよ 野良猫とともに
煙突 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 818.3
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 62
作成日時 2023-02-16
コメント日時 2023-02-23
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 15 | 15 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 5 | 5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 10 | 10 |
音韻 | 20 | 20 |
構成 | 10 | 10 |
総合ポイント | 62 | 62 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 15 | 15 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 5 | 5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 10 | 10 |
音韻 | 20 | 20 |
構成 | 10 | 10 |
総合 | 62 | 62 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
いいと思います。 風に裂かれた詩集の傷跡 零れた言葉の血が 新しい戯曲を生む この辺りの名詞の選び方はもう少し工夫があってもとは思います。 非常に面白い情景を想起させる内容なのにそれに選ばれた単語がありきたりなイメージを含んでいて付いていけてないというようなきがしました。
0はじめまして。 毎日毎日、同じ景色を見ながら同じ道を繰り返し歩くときに覚える、言い知れぬ惰性と倦怠を描いているのてしょうか。 街での生活を送る人の、侘しさともやるせなさとつかない、鈍色の哀感を感じます。 特に三連目の、 煙突よ、ほら煙突よ それは誰の疲弊を含んだ煙かと という表現は秀逸だと思います。 そして最期に野良猫を登場させたのも、何か共感を誘っていて、いいですね。 ただ個人的には、ひとつの連を分けて、もう少し短めにした方が読みやすいです。 あくまでも個人的な意見ですが。 でも全体的には、とても良かったです。
0>忘れることは 想うこと >疑うことも 想うこと これは名言だなぁと思いました。残りの感想はポイントにて。